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ノロウイルス感染が疑われる小児の親への説明【第106回医師国家試験】

2013.12.26 (Thu)
日経メディカルオンラインに、「冬の感染性胃腸炎、「お腹に優しい食べ物」とは?(前編)」という記事が掲載されており、第103回医師国家試験の問題が掲載されていました。

解説が丁寧・明瞭でしたので、医師国家試験を控えた医学生の方々もご参考にされてはいかがでしょうか。

12歳の男児と7歳の男児。兄弟で同じ小学校に通っている。兄は前日から38℃の発熱があり、血便を伴わない下痢、腹痛および嘔吐を認めた。弟は当日朝から腹痛と嘔吐を訴えている。兄の学級では36人中8人が、弟の学級では30人中7人が下痢や嘔吐などの消化器症状で欠席している。欠席者の便からノロウイルスが検出されたと保健所から連絡があったという。この兄弟の保護者への説明として正しいのはどれか。

(1)「便でベロトキシン(ベロ毒素)の検査を行います」
(2)「家族の検診について市から連絡が来ます」
(3)「食中毒の疑いとして教育委員会に届け出ます」
(4)「通常の石鹸と流水で手洗いを励行してください」
(5)「ウイルスが検出されなくなるまで学校は出席停止になります」



ノロウイルスによる感染が疑われる小児。その子たちの親御さんへの説明をどうすべきか、問われています。
あなたなら、どのように説明しますか?

×(1)「便でベロトキシン(ベロ毒素)の検査を行います」:このケースでは、血便がみられていません。ベロトキシン(ベロ毒素)は大腸菌や赤痢菌が産生する毒素で、多くは血便を伴います。欠席者の便からノロウイルスが検出されたということからも、この子たちもノロウイルスによる感染が最も疑われると考えられます。

×(2)「家族の検診について市から連絡が来ます」: 保健所から家族の検診について連絡があるのは、結核のように空気感染する重要な疾患の場合です。

×(3)「食中毒の疑いとして教育委員会に届け出ます」:ノロウイルスは二枚貝などに取り込まれて濃縮され、特に冬季の生牡蠣は食中毒の原因となり得ますが、学校給食で生牡蠣が出されることはありません。また、食事を介しての感染症・食中毒は、教育委員会ではなく所轄保健所への届け出が必要となります。

○(4)「通常の石鹸と流水で手洗いを励行してください」:ノロウイルスは、家庭内でも広がります。そのため患者家族には接触感染の予防策の基本となる手洗いを勧めます。

×(5)「ウイルスが検出されなくなるまで学校は出席停止になります」:学校保健安全法にノロウイルスに感染した場合の出席停止基準は記載されていません。ただ、休んでもらった方が周囲への感染リスクも下がり、いいかもしれませんね。
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感染性胃腸炎の乳児に適切な食事【第103回医師国家試験】

2013.12.26 (Thu)
日経メディカルオンラインに、「冬の感染性胃腸炎、「お腹に優しい食べ物」とは?(前編)」という記事が掲載されており、第103回医師国家試験の問題が掲載されていました。

生後8カ月の乳児。嘔吐を主訴に来院した。前日の午後から夜までに3回嘔吐したという。当日の嘔吐はなく、水様性下痢を4回認める。意識は清明であやすと笑い、水分を欲しがっている。体温37.1℃。心拍数80/分、整。心音と呼吸音に異常は認めない。腹部は軽度陥凹し、腸雑音は軽度亢進している。

食事療法として適切なのはどれか。
(1)母乳をやめる
(2)人工乳を1/2に薄める
(3)人工乳に砂糖を5%添加する
(4)食塩を添加した粥食とする
(5)下痢が消失するまで糖水のみとする



まず、キーワードを拾っていきますと…
・8カ月の乳児
・前日は嘔吐3回だが当日は嘔吐がなく水様性下痢が4回
・体温が37.1℃
である点から、ウイルス性の感染性胃腸炎が疑われます。

こうした乳児の食事療法では、どのような食事が正しいのでしょうか。
答えは、(4)だそうです。

×(1)母乳をやめる:母乳をやめる必要はありません。脱水しているようでしたら、まず乳児用イオン飲料を飲ませ、脱水がなくなり次第、母乳を飲ませます。

×(2)人工乳を1/2に薄める
×(3)人工乳に砂糖を5%添加する
→脂肪エネルギー比(総エネルギーに占める脂肪の割合)から見ると、糖を添加するかしないかに関わらず、人工乳は脂質が多く胃腸への負荷が大きいと考えられます。炭水化物の方が胃腸への負担が少ないため、人工乳よりも粥や乳児用の煎餅が推奨されます。

○(4)食塩を添加した粥食とする:嘔吐と下痢では電解質も失われます。そのため、食塩を加えた粥が良いようです。

×(5)下痢が消失するまで糖水のみとする:長期間の絶食・禁食は腸管の動きを弱めるので、原則として禁忌。

以上から、(4)食塩を添加した粥食が正解となるようです。
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