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タミフル耐性インフルエンザの流行-対策は?

2014.01.07 (Tue)
国立感染症研究所は6日、札幌市でタミフル耐性A/H1N1pdm09ウイルスが検出されたと発表しています。
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日経メディカル「札幌市でタミフル耐性A/H1N1pdm09ウイルスを検出」によると…

・2013/14シーズンに、札幌市の患者から分離されたA(H1N1)pdm09ウイルス5株について、札幌市衛生研究所が遺伝子解析による薬剤耐性マーカーの1次スクリーニングを行ったところ、5株すべてがH275Y変異を持っていることが明らかになった。

・さらに国立感染症研究所で、抗インフルエンザ薬であるタミフル、ラピアクタ、リレンザ、イナビルに対する薬剤感受性試験を行った結果、H275Y変異が確認された5株は、いずれもタミフルとラピアクタに対して耐性を示すことが確認された一方、リレンザおよびイナビルに対しては感受性を保持していた。

・この5株とは別に、2013年11月中旬に札幌市内の病院で、健康成人の重症インフルエンザ症例が確認され、国立病院機構仙台医療センターで検体を検査したところ、さきの5株と同様にH275Y変異をもつことが明らかになった。

・これらの6株は、4例が10歳以下の小児、2例が成人から検出されたものだった。いずれも散発例で、個々の患者の間で直接的な感染伝播はなかったと判断されたという。しかしながら、6株のウイルスのHA遺伝子およびNA遺伝子の塩基配列はほぼ同じであることから、「同一の耐性ウイルスが札幌市内で伝播されている可能性が高い」としている。

・6例の患者は検体採取前に抗インフルエンザ薬の投与を受けていなかったことから、薬剤により患者の体内で耐性ウイルスが選択された可能性は否定される、としている。


とのことです。

今回、札幌市で確認された耐性ウイルスは、タミフルとラピアクタに対する感受性は500倍以上低下していたことが分かっている一方、リレンザとイナビルに対する感受性は低下していなかった、とのことです。つまりは、リレンザ、イナビルはまだ使用でき、薬剤耐性が疑われる場合には、交叉耐性を示さない薬剤を使用することを検討すべきと考えられます。

実は、タミフル耐性ウイルスが流行したのは今回が初めてではなく、8~9年シーズンにもタミフル耐性を有するA/H1N1株が流行したことがあります。その後、A/H1N1pdm09ウイルスの出現によってタミフル耐性を有するA/H1N1株は検出されなくなっているといったことから、「持続的にタミフル耐性インフルエンザが流行する」といったことは考えにくいようです。

今後、同様のことが起こる可能性があります。タミフルが効きにくい地域流行性が考えられる場合は、別の薬剤を処方する(タミフルがダメならリレンザ、イナビル)といった対処法を検討すべきでしょうね。

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成人の風疹は「後頸部のリンパ節腫脹」が手がかりに

2013.12.31 (Tue)
日経メディカルオンラインにて、「成人風疹は「後頸部のリンパ節腫脹」で見分ける」が掲載されていました。

本年は風疹の流行が問題となりました。特に、先天性風疹症候群のこともあり、妊婦への影響が懸念される、と大々的に報じられていました。そんな中で、特に問題となったのが「成人の風疹」です。一般内科医ですと、なかなか診ることがないだけに、見逃されるケースもあるわけです。

風疹患者には、どのようなサインがあるのか…といいますと、その特徴としては「後頸部リンパ節腫脹」が挙げられるそうです。成人風疹患者の場合、「蕁麻疹ができたんですけど」「熱があって体がだるいんです」「風邪を引いて薬を飲んだらアレルギーが出ました」「耳の辺りが痛いです」といった主訴があるそうです。

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成人風疹は「後頸部のリンパ節腫脹」で見分ける


その中で、国立国際医療研究センター病院の國松淳和氏は、「強力な手がかりとなるのがリンパ節腫脹の部位。30人ほどの風疹例を診察した経験から、前頸部のリンパ節が腫れる一般の風邪などとは違い、後頚部、耳介の後ろや後頭部のリンパ節が腫れてくるのが、風疹の特徴だ」とのことです。

風疹による皮疹は、顔から始まって首、体幹部、四肢遠位へと1~2日かけて広がっていきます。患者によっては皮疹が強い発赤を示すので、麻疹による皮疹の性状とよく似ているそうです。

ただ、國松氏は、「『麻疹は紅斑が癒合するが、風疹は癒合しない』と覚えている医師が多いが、成人の風疹患者は症状が重く、紅斑が癒合しているように見えるケースがある」といった注意点も挙げておられます。

最終的には、風疹のIgG抗体やIgM抗体を調べ、診断することになります。ただ、それを調べる上で、症状をしっかりと把握し、疑うことが重要となりそうです。
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