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PCIの適応について

2008.05.25 (Sun)
冠動脈狭窄・閉塞に対する治療法としては、薬物治療、経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)、冠動脈バイパス手術(CABG)がある。

各々の治療法の効果、安全性、長期予後が比較・検討され、同一の患者においても複数の治療法が組み合わされ、相互に補完し合う関係にある。最近では、薬剤溶出性ステント(DES)の使用により再狭窄率の著明な減少が報告され、PCIの進歩が目立つ。また、一方で外科的手術では人工心肺を使用しないCABG(OPCAB:off-pump coronary artery bypass grafting)の普及により、手術成績も向上し、安定した治療手術となってきている。

経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)は、1977年にGruentzigらにより初めて行われた。当初はバルーンによる拡張術のみであり,経皮的バルーン冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty:PTCA)とよばれていたが、冠動脈ステント留置術(coronary artery stenting)、方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)、ロータブレーターといった新しい器具の発明と、それを用いた治療が普及するにつれて、PCIと総称されるようになった。

その適応となる疾患としては、

・PTCAの適応
冠動脈造影による適応:有意狭窄があり、その灌流域に心筋虚血があるもの(実測75%以上の狭窄で心筋虚血がない場合でも、患者背景を考慮し、近位部、入口部など主要部位の高度狭窄病変では適応となる)。

・病変形態による適応
ほとんどの形態に対し適応があるが、長いびまん性病変、石灰化病変、慢性閉塞性病変については再狭窄率が高く、CABGの適応を考慮する。

となっている。

罹患枝数や部位による適応としては、以下のようになっている。
罹患枝数 部位別 適応
1枝病変   一般にPTCAのよい適応。
ただし、大きな左前下行枝の近位部病変、PTCAの困難な病変形態の場合、PTCA不成功例ではMID-CABも含めてCABGも考慮
2枝病変 LAD近位部病変を含まない 病変部位、形態が適していればPTCAの適応
LAD近位部病変を含む 一般にCABGの適応。
病変部位、形態が良ければPTCAも考慮
危険にさらされた側副血行路の場合 一般にCABGの適応。
3枝病変   原則的にCABGの適応
左主幹部病変 原則的にCABGの適応

PTCAの原則禁忌としては、以下のようになっている。

1)保護されていない左冠動脈主幹部病変
2)3枝障害で2枝の近位部閉塞
3)血液凝固異常
4)静脈グラフトのびまん性病変
5)慢性閉塞性病変で拡張成功率の極めて低いと予想されるもの
6)危険にさらされた側副血行路の病変

注))悪性腫瘍、脳血管障害、肺疾患、肝不全、高齢者などのCABGハイリスク症例・不適当症例において、インターベンションが必要と判断されたときのみPTCAの適応となる。

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