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ステロイド薬の薬効と副作用について

2008.10.30 (Thu)
ステロイド薬の薬理作用は多彩であるが、特に抗炎症・免疫抑制などの目的で使用されることが多い。副腎皮質ホルモンは、鉱質コルチコイドおよび糖質コルチコイドとに大別される。副腎皮質ホルモン製剤は、炭素原子21個からなる合成ステロイド薬であり、糖質コルチコイドとの作用が主体となる。その種類としては、以下のようになっている。
ステロイド 生物学的半減期 糖質コルチコイド作用* 鉱質コルチコイド作用**
コルチゾン 短時間:8~12時間 0.8 0.8
ヒドロコルチゾン 1 1
フルドロコルチゾン 10 125
プレドニゾロン 中時間:12(18)~36時間 3.5~4 0.8
メチルプレドニゾロン 5 0.5
トリアムシノロン 4~5 0
デキサメタゾン 長時間:36~54(72)時間 25~30 0
ベタメタゾン 25~30 0
パラメタゾン 10~20 0
*:抗炎症力価
**:Na貯留力価

作用時間の長短によって3種類のステロイド剤がある。作用時間の短いヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ )、中間型のプレドニゾロン (プレドニン)、メチルプレドニゾロン (メドロール)、そして長いものとしてベタメタゾン(リンデロン)とデキサメタゾン(デカドロン )に分類される。抗炎症効果はヒドロコルチゾンに対して、プレドニゾロンは4倍、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンは6倍、パラメタゾンは12倍、デキサメタゾン、ベタメタゾンは30倍となっている。

ステロイド薬は、抗炎症・免疫抑制作用の他、糖代謝、脂質代謝、電解質代謝などに影響を与え、また造血系、神経系、循環器系、消化器系、内分泌系、結合組織系などにも広く作用する。そのため、多くの副作用が出現する可能性がある。

副作用としては、

1)易感染性・感染症
ステロイドはリンパ球や抗体産生を抑制し、炎症細胞の局所への浸潤を抑制するため、易感染性・感染の非顕性化をもたらす可能性がある。細菌感染は、その時の投与量と関連が深く、その一方で真菌、結核菌、ウイルスなどの日和見感染は、先行する数ヶ月間の投与量と関連する。パルス療法や免疫抑制薬併用時,肺病変がある時はPneumocystis jirovecii、サイトメガロウイルス、真菌感染のモニタリングや抗菌薬の予防投与が必要となる。

2)間脳・下垂体・副腎系の抑制
一般的に、下垂体・副腎機能はプレドニゾロン 5 mg/day以下ではほとんど抑制されないが、7.5~10mg/dayで40~50%、10 mg/day以上では80%以上の症例が抑制される。

3)無菌性骨壊死
ステロイドにより骨髄内脂肪組織増加、骨髄圧上昇が血流障害をきたすほか、骨粗鬆症、血管炎、脂肪塞栓、血液凝固能亢進などの多因子が関与している。

4)骨粗鬆症
骨粗鬆症は椎骨や肋骨に好発し、骨量の減少率は初めの数ヶ月間が高い。一般的に、プレドニゾロン 5 mg/day以上、3~6ヶ月以上の投与例では、骨密度の測定と予防・治療が必要となる。

5)消化性潰瘍
高用量使用する際や低酸素血症、頭蓋内圧亢進、NSAID併用時は胃粘膜保護薬、プロトンポンプ阻害薬、H2受容体遮断薬を併用する。

6)高脂血症,過血糖,高血圧,動脈硬化
ステロイド療法が長期にわたる場合、動脈硬化症に基づく虚血性心疾患や脳血管障害にも注意が必要である。ステロイド薬による脂質代謝異常、糖代謝異常、高血圧、肥満と原病である炎症性疾患自身により動脈硬化が促進すると考えられる。

こうした副作用は、ステロイド薬投与継続により生命予後に影響をもたらすため、major side effectとも呼ばれる。このような副作用が出現した場合、ステロイド薬は減量あるいは中止の適応となる。

一方、ステロイド薬投与によって起こる多毛、ざ瘡、満月様顔貌、皮下溢血、紫斑などの副作用は、minor side effectと呼ばれる(これらの副作用が出現しても、必ずしも減量あるいは中止の適応とはならない)。

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