医学生/研修医向け 基礎医学 内科学 ゴロ合わせ 内科認定医試験
診療データ TNM分類一覧 病期(ステージ)一覧 抗菌薬 診断基準・ガイドライン一覧

当サイトのページランキング

脳梗塞の発症機序と原因について

2009.10.04 (Sun)
脳梗塞は、その発生機序により、以下のように分類されてきた。

1)脳血栓症cerebral thrombosis:アテローム硬化症あるいは細い血管のヒアリノーシスなどによる脳血管の一次的閉塞に伴う梗塞
2)脳塞栓症cerebral embolism:心臓、大血管などに由来する栓子による閉塞に伴う梗塞
3)血行力学的脳梗塞hemodynamic cerebral infarction

従来、高齢者の脳梗塞の大部分は脳血栓症であるとされていたが、脳血栓症と診断されていたもののなかにも、かなり塞栓症が含まれていることが明らかになってきた。この際、塞栓の源としては心臓のみならず大動脈、頸部動脈などの動脈壁在血栓が考えられる。

前者が、心臓原性塞栓症cardiogenic embolismであり、後者は頸部血管のアテローム血栓からの動脈原性塞栓症artery-to-artery embolismである。

現在では、脳梗塞をその発生機序から、

・アテローム血栓性脳梗塞(太い脳血管の動脈硬化による閉塞およびその病変からの動脈原性脳塞栓症)
・ラクナ梗塞
・心原性脳塞栓症


とする分類が一般に用いられるようになった。この新しい分類のほうが、危険因子、急性期治療、再発予防を考えるうえで合理的だからであると考えられている。

以下に、それぞれの臨床病型の発症機序、原因を示す。

臨床病型発症機序原因
塞栓性梗塞塞栓性心原性、動脈原性、奇異性(右→左シャント)
アテローム血栓症血栓性主幹部から皮質枝レベル
塞栓性主幹動脈粥腫破綻、または血栓遊離→塞栓(動脈原性塞栓)
血行力学的主幹動脈の狭窄~閉塞による末梢灌流圧の低下
ラクナ梗塞細小動脈硬化穿通動脈の閉塞
血栓性起始部血栓による分枝粥腫型血栓

【関連記事】
脳腫瘍の画像診断

脳幹障害部位と症状の対応
トップページへ  |  この記事へのリンク  |  神経

MRI検査における信号強度

2009.10.04 (Sun)
MRIとは、NMR現象(核磁気共鳴現象)という物理学的現象を用いて、人体内の水素原子からNMR信号(電磁波)を得て、それを画像化したものである。

NMR現象(核磁気共鳴現象)を扱う時の組織の物理学的特性に、縦緩和時間(T1値:信号の回復力の指標)と、横緩和時間(T2値:信号の持続能力の指標)がある。このT1,T2値、水素原子の量(プロトン密度)、流れ、拡散の4つが組織側でのNMR信号の強さを決める主な要因となっている。

以下に、主立ったT1強調像、T2強調像の信号強度の指標を記す。

1)自由水はもっとも緩和時間が長く、その中にタンパク質などの高分子が混じって水分子の運動を制限したり、磁性体が混ざって電子をやりとりすると短縮する。すなわち、水はT1強調像で低信号、T2強調像で高信号(例:脳脊髄液)である。液体の粘稠度が上がると、T1強調像での信号が上昇する。

2)炎症を含め、多くの病変は水と同じく、T1強調像で低信号、T2強調像で高信号

3)血流の速い部分(血管内)は無信号(例:脳動静脈奇形)である(この無信号域をflow voidという)。

4)骨、石灰化は無信号である。よって、CTの方が描出、発見に有利である。金属もT1、T2強調像いずれにおいても通常、無信号である。治療後の歯など粗大な金属がある場合には、アーチファクトが生じる。

5)出血は時間経過で生化学変化を反映して異なる。出血性脳卒中(脳出血、クモ膜下出血)の急性期ではCTの方が判読しやすい。血腫の中の鉄イオンの変化により、経時的に信号の変化が起こる。

6)脂肪はT1、T2強調像いずれも高信号を呈する。脂肪の他にT1、T2いずれも高信号を呈するものには、血腫、粘液がある。

T1強調像とT2強調像の信号強度まとめ

T1強調像T2強調像
白い脂肪
高蛋白溶液
亜急性期血腫
常磁性体

多くの病変
亜急性期血腫
黒い
多くの病変
空気・骨
速い血流
急性期
慢性期血腫
石灰化
空気・骨

速い血流


【関連記事】
MRIの読影における基本事項

エコー検査における所見
トップページへ  |  この記事へのリンク  |  検査
Adminブログパーツ