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HRCTにおける小葉病変パターンと間質性肺疾患

2010.02.19 (Fri)
現在のところ、間質性肺炎のようなびまん性肺疾患に対する画像診断的アプローチの手法としてよく用いられるものは、単純X線撮影とCTである。

CT像のなかでもスライス厚2mm以下の薄層CTの生データから空間分解能を強調した(輪郭を強調した)再構成関数を用いて、主に19~20cm程度の表示視野で片肺のみを表示した高分解能CT(high-resolution CT;HRCT)は、肺の病理像をよく反映した画像を表示できる。HRCTは、肺のびまん性疾患の解析に際しては、肺の二次小葉を診断の基本的単位とする考えかたに応用されている。

二次小葉(Miller)は小葉間隔壁に境界された約1cm大の多角形の構造である。一方、気管支分岐距離から規定されるReidの二次小葉は、Millerの二次小葉と必ずしもその大きさが一致せず、単一のMillerの二次小葉内部に1~20個のReidの二次小葉が含まれる。

二次小葉の辺縁部には、小葉間隔壁や肺静脈あるいは太い肺動脈などが位置する。また、小葉辺縁部からやや離れて(2~4mm)肺動脈分枝や細気管支が位置する。これらの構造に着目して二次小葉を病変解析の基本的な場とする診断法は、びまん性肺疾患の診断に重要である。

HRCTにおける小葉構造に関連づける異常陰影のパターンとして以下のようなものがある。
陰影の分布HRCTにおける特徴主な間質性肺疾患
小葉中心性分布小結節影病像が胸膜や肺静脈から2~3 mmの距離を有し、肺動脈像に連続して存在する。びまん性汎細気管支炎、過敏性肺炎、好酸球性肺肉芽腫症、珪肺、気道散布性肺結核など
汎小葉性分布境界が明瞭な濃度上昇領域で、小葉大(1 cm)の広がりを示す。COP、過敏性肺炎、肺胞蛋白症など
小葉辺縁性分布胸膜や肺静脈の凹凸やそれに一致する結節性病像を示す。特発性間質性肺炎、膠原病性肺炎などUIPを示す疾患
気管支血管周囲性分布肺血管像や気管支壁の凹凸や腫大所見を示す。サルコイドーシス、癌性リンパ管症など

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間質性肺炎の定義と分類
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間質性肺炎の定義と分類

2010.02.19 (Fri)

概念

間質性肺炎とは、間質(肺胞壁)を病変の主座とする炎症性疾患に対する病理組織学的総称のことを指す。病因別には、特発性(原因不明のもの)、膠原病性、薬物性などさまざまのものが含まれている。

原因不明の間質性肺炎を特発性間質性肺炎と総称し、これは臨床経過からさらに急性型と慢性型に分類されている。前者はHammanとRichが1944年に報告したものにほぼ一致し、現在では急性間質性肺炎(acute interstitial pneumonia;AIP)、後者は欧米で特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)といわれるものにほぼ相当する。

今日、原因不明の間質性肺炎については病理組織学的な分類が行われ、それが経過、予後、治療反応性とよく対応することも明らかとなっている。そのため、間質性肺炎、と一言で言っても、その分類が重要となる。

分類

Liebowの分類
現在の臨床病理分類
通常型間質性肺炎(UIP: usual interstitial pneumoniae)IPF(idiopathic pulmonary fibrosis)
閉塞性細気管支炎を合併したびまん性肺胞障害(BIP: bronchiolitis obliterans and diffuse alveolar damage)COP (cryptogenic organizing pneumonia)
剥離型間質性肺炎(DIP: desquamative interstitial pneumoniae)1. DIP (desquamative interstitial pneumonia)
2. RB-ILD (respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease)
巨細胞性間質性肺炎(GIP: giant cell interstitial pneumoniae)hard metal lung disease(cobalt sensitivity)
リンパ性間質性肺炎(LIP: lymphoid inerstitial pnumoniae)LIP (lymphocytic interstitial pnaumonia)

AIP(acute interstitial pnaumonia)

NSIP (nonspecific interstitial pneumonia)

鑑別

病理組織学的にDADの所見を有し、原因不明(他の間質性肺疾患を除外)の疾患をIIP急性型(またはAIP)と診断する。また、病理組織学的にUIPの所見を有し、原因不明(他の間質性肺疾患を除外)の疾患をIIP慢性型と診断する。

病理像による上記鑑別が行われることが確実であると考えられるが、肺生検が行われる症例は少なく、現在ではHRCT所見などを参考に診断される。その特徴としては、以下のようなものがある。
AIP・両側肺野に斑状またはびまん性の分布
・スリガラス状の濃度上昇域(濃厚な均等影を伴う)
・濃度上昇域内部の牽引性気管支拡張像(細気管支拡張像)
・気管支血管影や葉間線の偏倚(強い収縮傾向)
典型的な蜂巣肺形成はない
UIP/IPF・下葉背側胸膜下に優位な分布
・壁厚の小嚢胞の集簇(蜂巣肺)
・スリガラス状の濃度上昇域(網状影を伴う場合が多い)
・濃度上昇域内部の牽引性気管支拡張像
・気管支血管影や葉間線の偏倚(肺の容積減少)
・気管支血管影や胸膜面の不整像(小葉辺縁部優位の線維化)
・不均一な所見の分布(蜂巣肺に隣接した正常肺野の存在など)
COP・胸膜直下あるいは気管支血管影に沿って分布
・濃厚な均等影
・スリガラス状の濃度上昇域
・結節影(気管支血管影に連なる)
蜂巣肺形成はない。
NSIP・中下肺野優位の分布
・スリガラス状の濃度上昇域
・濃厚な均等影
・気管支血管影の腫大像
・索状影や線状影
・濃度上昇域内部の牽引性気管支拡張像(fibrotic NSIP)
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