医学生/研修医向け 基礎医学 内科学 ゴロ合わせ 内科認定医試験
診療データ TNM分類一覧 病期(ステージ)一覧 抗菌薬 診断基準・ガイドライン一覧

当サイトのページランキング

無脾症とは

2007.02.20 (Tue)


無脾症とは



【概念】
 無脾症は、脾欠損症,無脾症症候群asplenia syndromeともいう。
脾の無形成は単独で起こることもあるが、多くは心臓血管系の奇形および部分的内臓逆位を伴い、この場合一つの症候群(脾無形成‐心奇形症候群あるいは無脾症症候群)として扱われる。
 発生頻度は非常にまれなものと考えられており、また脾の奇形を伴った一群の多発奇形の家族内発生も報告されている。
 部分的内臓逆位としては腹腔内あるいは胸腔内どちらかの全器官の逆位、一つの器官全体の逆位(胃,肝,十二指腸,膵,胆嚢,腸あるいは食道)を合併し、その他、大網の欠如、肝の対称性分葉、腸回転異常、肺の分葉異常などの奇形を合併することもある。

【合併症】
 合併する心臓血管系の奇形としては総房室孔開存、心室あるいは心房中隔欠損,大血管転位,体循環静脈還流異常,肺動脈還流異常,動脈管開存,肺動脈閉鎖などがある。
 単心室あるいは一側心室低形成をともなう心内膜床欠損が心室構造として多く、心房は痕跡的中隔をもつ単心房で両側右心耳構造の右側相同を基本形とする。肺動脈閉鎖、肺動脈狭窄など心室から肺循環へは狭窄性病変をもつものが多いが、1ないし2割の例では狭窄がなく、肺高血圧を伴う。まれに主要体肺側副血行が合併する。

【症状】
 無脾症の場合、心臓に関しては肺動脈や肺静脈の異常を伴うことが多く、出生直後からのチアノーゼで気づくことがある。また、不整脈が認められる場合もある。
 腹部の症状としては、腸の走行異常のために腸閉塞症状(突然の嘔吐、腹痛など)が出たり、胆道系の病気になったりすることがある。また脾臓がない場合、免疫系の異常から重症の感染を繰り返すことがある。

【検査】
 心臓と胸部臓器、腹部臓器のそれぞれについて、左右どちらの形態で形作られているかの診断が必要である。心臓に関しては、心エコーやカテーテル検査も有効だが、全身臓器の診断としてMRI検査が有効である。
 末梢血赤血球にはハインツ小体Heinz bodyおよび、ハウエル・ジョリー小体Howell‐Jolly bodyが認められる。予後は合併する他の奇形に依存するがおおむね不良である。

【治療】
 肺血流の減少、増加による症状があれば内科的にコントロールする。外科的には、心臓の形態に合わせた手術が必要になる。
 無脾症の場合、乳児期の早期に肺静脈の異常や弁逆流に対する手術が必要になる場合が多くあるが、手術不可能と判断されるケースもある。
 最終的には、フォンタン型手術を目指す症例が多くなる。また、不整脈に対する治療や、ペースメーカーが必要になる人もいる。

【今日の一問一答】○or×
各論V-3「先天性心疾患」
無脾症の診断には末梢血塗抹標本の所見が有用である。
→答えはコチラ


トップページへ  |  この記事へのリンク  |  肝胆膵
Adminブログパーツ