医学生/研修医向け 基礎医学 内科学 ゴロ合わせ 内科認定医試験
診療データ TNM分類一覧 病期(ステージ)一覧 抗菌薬 診断基準・ガイドライン一覧

当サイトのページランキング

心筋炎とは

2007.03.16 (Fri)


心筋炎とは



【概念】
心筋炎とは、種々の原因により心筋が局所的もしくはびまん性に炎症性変化を示した状態である。

【原因】
細菌、ウイルス、リケッチア、真菌、原虫などあらゆる種類の感染症において起こりうるものであり、またリウマチ熱、その他の膠原病にもみられる。
近年ではコクサッキーB型、エコー、C型肝炎ウイルスなどの感染による心筋炎が注目されており、またウイルスによる心筋炎の発生に自己免疫の関係している可能性も考えられている。

【分類】
組織学的に実質性心筋炎parenchymatous myocarditisと間質性心筋炎interstitial myocarditisとに分けられるが、いずれの症例においても多少とも両病変が認められる。

【症状】
感染症などの部分症状として、経過中または回復期に発症し、一般に急性に経過し(急性心筋炎acute myocarditis)、予後良好なものが多いが、重症不整脈、心不全、ショックを呈するものもまれではない。

多くの場合は発熱、咳、頭痛、咽頭痛、全身倦怠感等の風邪様症状や吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が先行する。
その後に動悸、胸痛、不整脈、息切れ、夜間の呼吸困難(仰向けに寝ると悪化、座ると軽快)、足のむくみ、顔面蒼白、チアノーゼ、不整脈や失神発作、四肢末梢の冷感、全身倦怠感などの心不全症状や関節・筋肉痛、発疹などが出現する。症状の程度はほとんど無症状のものから、心不全や不整脈により急速に死に至るものまで幅が広い。

【検査】
・心電図:QT延長やST変化を来たす。
・胸部レントゲン検査:心拡大(ほとんど軽度)、肺うっ血の有無。
・心エコー検査:心筋壁運動の低下。病初期では左室の拡大はまだ軽度のことが多い。心臓周囲に心嚢液が貯留がすることもある。
・一般血液検査:白血球増多、CRPの上昇、血沈の亢進、などの炎症所見。心筋細胞の破壊を示すCPK、GOT、LDHの上昇。
・血液検査では、感染が疑わしいウイルスの抗体の測定を、急性期と寛解期(2週間以上の間隔)の2回行う。4倍以上の上昇があるとそのウイルスが原因である可能性が高いと言える。

[補足]ウイルスの種類は多く、健康保険の範囲ですべてのウイルス検査を行うことはできないために、起炎ウイルスを確定できることはめったになく、原因不明のことが多いのが現実。

【治療】
心不全などの合併症を防止するための対症療法(安静、利尿剤、酸素吸入、食事の塩分制限など)が中心となる。

[補足]心筋炎の発症1週間程度の早期に、鎮痛解熱剤(非ステロイド系消炎剤)を使用すると心筋の破壊を悪化させる可能性があり、使用しないほうがよいと報告されている。

【今日の一問一答】○or×?
「心筋炎はアデノウイルス感染症である」
→答えはコチラ


トップページへ  |  この記事へのリンク  |  循環器
Adminブログパーツ