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2007.05.25 (Fri)

グラム染色について

【グラム染色とは】
固定した菌をゲンチアンバイオレットgentian violet(塩化メチルロザニリンmethylrosanilium chloride)で染色しヨードで処理すると、菌によってはゲンチアンバイオレットとヨードの結合物が菌体に固着しアルコールで脱色されないものと、容易に脱色されるものとに分かれる。これを他の色素(通常はフクシン,サフラニンなどの赤色の色素が用いられる)で後染色すると、アルコールで脱色されなかった菌は濃紫色を呈し、脱色された菌は後染色に用いた色素の色(通常は赤色)に染色される。

この原理を用いて、濃紫色に染色された菌をグラム陽性菌Gram positive bacteriumと呼び,後染色の色素(赤色)に染色された菌をグラム陰性菌Gram negative bacteriumと呼ぶ。

グラム陽性菌とグラム陰性菌では細胞壁の構造に違いがあり,薬剤の透過性や感受性も異なる場合が多い。このようにグラム染色性は細菌細胞壁の構造や機能と関連しており、菌の分類や同定を行うにあたって最も重要なkey characterの一つになっている。

(Point)
1)グラム陽性菌も陰性菌もクリスタル紫とルゴールにより細胞内部に複合体が形成される。
2)アルコールで処理するとき、アルコールはグラム陽性菌の細胞壁に浸透しにくいので青色のままとなる。
3)グラム陰性菌はアルコール処理により細胞壁の外膜が取り除かれるので、アルコールが細胞内に浸透していき、クリスタル紫とヨードの複合体が細胞から取り除かれる。後染色によってピンクに染色される。

【グラム染色による分類(簡易)】
陽性陰性
球菌黄色ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌
肺炎球菌
溶連菌
腸球菌
モラクセラ
淋菌
肺炎球菌
桿菌バチルス
クロストリジウム
コリネバクテリウム
緑膿菌
インフルエンザ菌
大腸菌


【グラム染色で判別困難な場合】
・咽頭ぬぐい液や糞便材料には通常、常在菌が多数存在しているので、塗沫では区別がつかない。
・結核菌(Ziehl‐Neelsen染色など)やレジオネラ(ヒメネス染色や間接蛍光抗体法など)では特殊染色が必要である。
・クリプトコッカスなどでは墨汁染色が必須である。




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