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朝から腹痛が持続するため来院した26歳男性

2007.07.18 (Wed)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 26歳の男性。朝から腹痛が持続するため来院した。朝食後,嘔気と心窩部の痛みとが出現し,痛みは次第に右下腹部に移動した。体温37.6℃。呼吸数14/分。脈拍92/分,整。血圧118/78mmHg。血液所見:赤血球450万,白血球13000,血小板22万。
 認められる所見はどれか。
a 腹部の膨隆
b 腸雑音の亢進
c 肺肝境界の消失
d 右下腹部の反跳痛
e 深呼吸による痛みの増強



正解:d 正解率:92.1%

解説:
①26歳男性(→年齢的に、悪性腫瘍による急性腹症は考えにくい)
②朝食後の悪心、心窩部痛(→消化器系の異常が考えられる)
③心窩部痛が右下腹部に移動(→虫垂炎にみられる症状)
④37.6℃(→体温上昇。炎症の存在が考えられる)
⑤脈拍92/min(→脱水または炎症の存在)
⑥白血球13,000(→感染症・炎症の疑い)

朝食後の「嘔気と心窩部の痛み」および発熱、頻脈、白血球増多から、消化器系の炎症性疾患を考える。特に、腹痛の右下腹部への移動がみられるため、虫垂炎が強く疑われる。

腸閉塞との鑑別点は、以下のようなものがある。
・圧痛点
虫垂炎→最痛部が右下腹部に限局傾向
腸閉塞→比較的広範囲の圧痛を示す。
・腸雑音
虫垂炎→炎症性の腸管麻痺により減弱
腸閉塞→閉塞部の口側で増強

×a 「腹部の膨隆」は腸閉塞の主要症状であり、虫垂炎においては、重症化し化膿性炎症が、広範囲の腸管に波及し腸管麻痺状態になった場合に呈することがある。

×b 「腸雑音の亢進」は、下痢を伴う腸炎や機械性腸閉塞の口側にてみられる。虫垂炎では、炎症の周囲腸管への波及に伴い減弱傾向をとる。

×c 「肺肝境界の消失」は、右胸水貯留、消化管穿孔もしくは下肺の異常にて生じる。

○d 「右下腹部の反跳痛」は、右下腹部壁側腹膜における限局性炎症の所見である。虫垂炎による腹膜刺激症状として起こりうる。(Blumberg徴候)。

×e 「深呼吸による痛みの増強」は、胸郭や上腹部病変が存在しているときに、胸郭の変動に伴い生じる。


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