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急に激しく泣き、嘔吐したため連れられた8ヶ月の乳児

2007.07.20 (Fri)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 8か月の乳児。急に激しく泣き,嘔吐したため来院した。
現病歴:2時間前から突然激しく泣き始めた。その後泣き止み,ぐったりしていたが,再び泣き始め,このような発作を繰り返している。30分前に1回嘔吐がみられた。排便は6時間前にあり,普段と変わらない固形便であった。
既往歴:特記すべきことはない。予防接種はDPT 2回とBCGとを受けている。
現症:体温37.2℃。呼吸数40/分。心拍数140/分,整。顔色不良で,顔貌は無欲様である。聴診で心雑音はなく,呼吸音も正常である。腹部は軽度膨隆し,右季肋部に鶏卵大の腫瘤を触れる。
 まず行うのはどれか。
a 輸液
b 腹腔ドレナージ
c 胃洗浄
d 浣腸
e 経過観察



正解:d 正解率:52.3%

解説:乳児が突然、「間欠的暗泣」をきたし、「右季肋部」、「心窩部」に可動性のある腫瘍を認めた場合、まず腸重積症を疑う。
 診断法として、浣腸で「イチゴゼリー状の粘血便」→腹部超音波検査で回腸末端が結腸に散人・重積した所見(「target sign」)→治療も兼ねて、注腸造影(「カニ爪様像」)の順で行う。

①8カ月の乳児
②急に激しく泣き、嘔吐(→腸管症状や腸閉塞などが疑われる)
③ぐったりしている(→脱水やショックが考えられる)
④発作を繰り返している(→間欠的な発作が起こっている)
⑤6時間前は普段と変わらない固形便(→啼泣が始まる4時間前は、普通便で、以後、下痢はない→腸炎は否定的)
⑥腹部は軽度膨隆(→腸閉塞を疑う)
⑦右季肋部に鶏卵大の腺癌触知(→腸重積症を疑う)

以上より、腸重積症を疑う。

×a 輸液により、消化管に大量の細胞外液が漏出し、脱水や電解質異常をきたしているため、これらを補正する必要がある。治療法としてまず行うべきものであるが、診断を急ぐ意味では不適当である。

×b 腹腔ドレナージは、腸管穿孔などを疑い、試験穿刺を行う場合もあるが、本問の状態では、まず行うべきことにはならない。

×c 胃洗浄は、誤食・誤飲などで行うべきであるが、本問では関係ない。

○d 6時間前は普段と同じ固形便であるが、発症が2時間前からなので浣腸を行い、便の状態を確認すべきである。

×e 腸重積症を放置した場合、絞扼性腸閉塞による腸穿孔を起こし、結果、ショック状態から死亡してしまう。


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