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急性白血病と告知され、抑うつ気分を呈した45歳女性

2007.08.02 (Thu)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 45歳の女性。1か月前に急性白血病と告知され化学療法を受けている。2週前から抑うつ気分とともに,不眠,集中困難,興味・関心の低下および疲労感を訴えるようになった。生きていく自信もなくなったという。
 対応について正しいのはどれか。
a 支持的態度は患者を自殺に導きやすい。
b 共感的態度で接し患者の感情表出を促す。
c 自殺念慮を聞くと医師患者関係を損なう。
d 治療に専念するため家族の面会を禁止する。
e 全人的治療のためホスピスでの治療を勧める。



正解:b 正解率:91.3%

解説:癌患者が、治療経過中にうつ状態に陥ることはまれではない。特に、ステージが進むほど全身状態の悪化や癌性痔痛の持続により精神症状が出やすくなるので、全身管理、疼痛管理のみならず精神医学的配慮が必要である。

①1ヶ月前に急性白血病と告知され化学療法を受けている。
②2週前から抑うつ気分
③不眠、集中困難、興味・関心の低下および疲労感
(→化学療法の影響や全身状態の悪化も考えられるが、憂うつ気分や楽しみ・興味の喪失の所見があり、2週間続いている)
④生きていく自信がなくなった。

DSM-IV-TRの診断基準によれば、「憂うつ気分」や「楽しみ・興味の喪失」の所見といった主要症状1つを含む5つの症状が2週間以上持続することが、大うつ病診断の条件となる。

×a うつ状態にある患者に対して、受容、支持、保証をはじめとする支持的態度で望むと自殺の防止につながる。逆に、励ましは自責的になっている患者の心の負担を大きくするので禁忌。

○b 共感的態度で接することは、苦しさを受け入れてくれるという安心感から改善に寄与する。共感により、不安や憂うつ気分などのうっ積した感情が表出しやすくなる。

×c 希死念慮が存在するときは、うつ状態が重くなっていると判断する上で、重要な要素となる。したがって、希死念膚があるかどうかを聞くことは重要なことである。

×d 気心の知れた家族の面会は、悲哀感・孤独感を緩和させる。面会禁止は得策ではない。

×e 化学療法とともに、うつ状態の治療を並行して行うことが重要である。薬物療法や支持的精神療法で改善を図る。


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