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症例03:5年前より検診で毎年尿蛋白を指摘され、ようやく来院した34歳女性 Part01

2007.08.27 (Mon)
5年前より毎年検診を受けており、尿蛋白、尿潜血、高血圧を指摘されていたが、自覚症状はないため放置していた。今年も同様に指摘され、ようやく、来院した。
 身長154cm、体重53㎏。尿定性検査では、尿蛋白(2+)、尿潜血(3+)、尿糖(一)。尿定量検査では、尿蛋白85mg/d、尿クレアチニン46mg/dl。血液学的検査でTP76g/dl、Alb48g/dl、Cr13mg/dl、T.Chole260mg/dl、CH5043U/mL抗核抗体陰性。毎年の検診のデータを持ってきてもらったところ、次のような結果であった。
     H13.4 H14.4 H15.4 H16.4 H17.4  
 尿蛋白 (1+) (2+)  (1+)  (2+)  (2+)      
 尿潜血 (2+) (3+)  (2+)  (3+)  (3+)
 血清Cr 0.9  1.0   1.0  1.2   1.3
<<設問01>>:無治療の場合、いつ頃、透析が必要になるか?

【答え】平成24年前後
【解説】
 1/CrはCrを求める式の変形から、GFRと相関すると考えられます。
 このことから、1/Crをプロットすれば、透析開始レベルを推測することができると考えられます。
 結果、透析開始が必要となるのは平成14年から10年後、すなわち平成24年前後であることがわかります。
【補足】
上記のことは、飽くまでも「予測」です。実際は、急激に悪化することがあります。Crが低いからといって、安心していると大変なことになります。

腎生検を施行したところ、IgA腎症(比較的予後不良群)との所見を得た。
<<設間02>>:本例の蛍光抗体法の所見は、どのようなものか?
<<設問03>>治療方針は?

<<設間02>>:本例の蛍光抗体法の所見は、次のどれか?
【答え】
まず、蛍光抗体法による組織像の読み方としては、
 ①形状は、線状か顆粒状か
 ②場所は、基底膜かメサンギウム領域か
 という点に着目します。IgA腎症では、顆粒状にメサンギウム領域へ蛍光されます。
 IgA腎症:メサンギウム領域にIgA優位のびまん性沈着 という像がみられる。

<<設問03>>治療方針は?
【答え】以下のような治療が必要となる。
1)食事療法:蛋白0.6-0.8g/kg/day 熱量35kcal/kg/day、塩分7-8g/day以下 カリウム制限(高K血症の時)
2)薬物療法:降圧薬(ACE、ARB、降圧利尿剤(降圧目標130/80以下)、抗血小板剤、ステロイド 
3)生活規制:過労、脱水、妊娠、出産などの注意
【解説】
 慢性糸球体腎炎は、蛋白尿、血尿が長期にわたって(1年以上)持続する症候群で、急性糸球体腎炎AGN、急速進行性腎炎RPGN以外の原発性糸球体腎炎は全て含まれます。本症はIgA腎症であり、慢性糸球体腎炎に含まれる。故に、上記のような治療が必要となります。


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