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膜性腎症の病理組織像

2007.09.02 (Sun)
PAS染色:糸球体基底膜がびまん性に均一に肥厚 
PAM染色:Spike lesion(基底膜から上皮細胞側に細い小突起が認められる)
蛍光抗体法:IgG、C3の係蹄壁に沿った顆粒状に沈着

膜性腎症では、大部分の糸球体(diffuse)に基底膜の肥厚が認められます。これは、depositと呼ばれる上皮下の沈着物が肥厚の原因であると考えられています。depositの本体は、免疫複合体であるといわれています。
 典型例は蛍光抗体法で見ると、このdepositの抗体部分が染まり、IgG、C3の係蹄壁に沿った顆粒状に沈着がみられます(ただ、IgMがみられる場合もあります)。蛍光抗体法で
「顆粒状」にみえるのは、免疫複合体が沈着しているような場合に特徴的です(沈着にムラがある)。一方で、「線状」にみえるのは、古典的抗糸球体基底膜疾患(Goodpasuture症候群など)に特徴的です(ムラなく抗体が沈着する)。
 何故、PAM染色でspike状に見えるのかというと、depositの間に新生基底膜が増生しており、PAM染色では基底膜部のみが染め出され、、depositは抜けてその基底膜が染色されるため、棘状にみえます(ちなみに、水平方向に薄切された基底膜では空胞状にみえるため、抜き打ち像punched out lesionと称されます)。
 ちなみに、電顕的にはstageⅠ~Ⅳに分類され、初期には基底膜の上皮側に小さいdepositがみられ、時期を経るとdeposit間に新生基底膜が認められ、spike状構造になります。最終的にはdepositは消失し、不規則な基底膜の肥厚が残ります。

>>補足 染色法の違いについて
 PAS (periodic acid-Schiff) 染色
 →基底膜の肥厚やmesangial matrixの変化、depositを見る。基底膜、血管病変などの観察に向く。
 PAM (periodic acid-Methenamine silver) 染色
 →基底膜の詳しい肥厚の様子やmesangial matrixの変化をみる。係蹄壁の詳細な観察に必須となる(逆説的にいえば、この染色法が出てきたら、膜性腎症のspike、膜性増殖性腎炎の二重係蹄などを疑う)



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