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『医師国家試験 禁忌肢の正体』を追ってみる

2007.09.03 (Mon)
「禁忌肢があるのって、必修問題だけだよね?」と訊かれたときに、だいたいの医学生(高学年)は、「そうじゃないの?」と思うのではないでしょうか。

ですが、その根拠ってなんなんでしょうか?厚労省がそう言ってるんでしょうか?だいたいが、「先輩が言ってた」「ネットでそう読んだ」という、まるで都市伝説的な(「これは友達の友達が聞いた話です」というような)ことをソースとしているのではないでしょうか。「模試にはしっかりと必修にのみ禁忌肢が示されている」ということも根拠になっているのではないでしょうか。

果たして、その真偽やいかに、ということで調べてみました。
まず、厚労省の禁忌肢についての判断基準はどうなっているのか、と思って調べてみると…特に、厚労省のHPには禁忌肢についての記載はないように思います。少なくとも、明確に「これが禁忌なり」という説明はありません。

…で、さらに調べていくと、特定非営利活動法人 医学教育振興センターさんのHPにある医師国家試験問題の禁忌肢についてに気になる文言が。

①禁忌肢を含む問題と当該選択肢はどれか。また、それらが禁忌肢である理由は何か との質問に対して、

1.厚生労働省からの不開示決定通知の要旨
「試験問題の検討過程における率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれや、国家試験事業の適正な遂行に支障をおよぼすおそれがあるため開示できない。」

…とのこと。
つまり、明示する意志はない、としています。
堅いお役所的な文言を翻訳すれば、「禁忌肢を明示しちゃったら、文句言われたときに逃げられないジャン。だから公表しないよ」ということになるのではないでしょうか。

では、どうして「必修のみに禁忌があり、足切り対象になる」という都市伝説が生まれたんでしょうか?発生の理由や根拠は分かりませんが、その一端となるであろう説明は、TECOMの禁忌に関するF&Qにあります。

禁忌肢問題の取り扱いについてという部分で、要約すると以下のように書かれています。

・対象とされる領域(すなわち足切り領域)は必修領域に限られる。
・全受験生の10%以上の学生が禁忌肢にマークをした問題は禁忌肢問題から外される。
・その問題をマークしなかった場合、ノーマーカー+禁忌選択者が10%以上ある場合には禁忌肢問題の対象から除外


果たして、何を根拠にしているのかは分かりませんが、こう書かれています(受験生の当落データを元にしているんでしょうか)。

少なくとも、医師国家試験の実施状況についてにあるように、

・総数500 題のうち一部が禁忌肢問題となっている。
・ 必修問題、一般問題、臨床実地問題の各々の得点と、禁忌肢の選択をもとに合否を決定。
・(合格基準に)禁忌肢問題選択数は、2 問以下

とあるので、禁忌肢は存在しています。
ですが、それは必修のみ足切り対象になる、とは公表されない、ということになっています。

何とも釈然としない方式になっています。結論としては、根拠はないけど"必修問題にのみ(足切り)禁忌肢は含まれている"ということになっているようです。


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