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1週前からの軽い頭痛を主訴に来院した56歳男性

2007.09.26 (Wed)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 56歳の男性。会社役員。1週前からの軽い頭痛を主訴に来院した。
現病歴:3年前から毎年の健康診断で高血圧を指摘されていたが放置していた。
既往歴:特記すべきことはない。
嗜好:喫煙歴なし。飲酒歴はビール1本/日を30年間。塩辛い食事を好む。
家族歴:高血圧症なし。糖尿病なし。
現症:身長172cm,体重60kg。脈拍72/分,整。血圧182/120mmHg。皮膚やや湿潤。腹部に異常なく,神経学的にも異常はない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血清生化学所見:空腹時血糖102mg/dl。総蛋白6.8 g/dl,クレアチニン 0.9mg/dl,総コレステロール220mg/dl,トリグリセライド180mg/dl,Na 142mEq/l,K 4.4mEq/l,Cl 104mEq/l。
 この患者に予想される胸部所見はどれか。
a 肺肝境界の上昇
b 呼吸音減弱
c 心尖部拡張期雑音
d II音大動脈成分の亢進
e 心膜摩擦音



問題:95F43

正解:d 正解率:77.0%

解説:
①56歳男性
②1週前からの軽い頭痛
③3年前から毎年の健康診断で高血圧を指摘されていたが放置
→多変量解析モデルで、有意な血圧増加(収縮期血圧 180 or 拡張期血圧 110)は、頭痛と関連していることが明らかになっている(Academic Emergency Medicine Volume 11, Number 5 521Headache. 1999 Jun;39(6):409-16.)。
④塩辛い食事を好む
⑤血圧182/120mmHg
⑥腹部に異常なく,神経学的にも異常はない
⑦尿所見:蛋白(-),糖(-)
⑧空腹時血糖102mg/dl(現在の所、糖尿病の既往はない)
⑨総コレステロール220mg/dl,トリグリセライド180mg/dl(高脂血症)

以上より、慢性高血圧に伴う頭痛であると思われる。

×a 肺肝境界の上昇は、胸水や肺水腫を示唆する所見の一つである。

×b 呼吸音減弱も、胸水や肺水腫を示唆する所見の一つである。

×c 心尖部拡張期雑音は、僧帽弁狭窄症を示唆する所見である。高血圧で認められる雑音は、心基部収縮期雑音である。

○d 高血圧では大動脈を閉じる際に力が大きく働くため、II音大動脈成分の亢進がみられる。

×e 心膜摩擦音は心膜炎を疑わせる所見である。

【補足】以下の問題が続いている。
a 放置してよいと話す。
b 自宅で安静にすればよいと話す。
c 摂取エネルギーを制限させる。
d 治療せずに4週後来院させる。
e 降圧薬投与を開始する。



問題:95F44

答え:e

解説:
×a 180/110mmHg以上の重症である高血圧であるため、放置するべきではなく、ただちに薬物療法を行う(糖尿病、臓器障害、心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがあればただちに治療を開始する)。

×b 比較的重症の高血圧であり、より積極的な治療が必要となり、軽度の高血圧であれば運動療法がすすめられる。

×c 塩分制限、カロリー制限は重要な食餌療法であるが、比較的重症の高血圧であり、より積極的な治療が必要となる。

×d 180/110mmHg以上の重症である高血圧であるため、ただちに薬物療法を開始すべきである。

○e 降圧薬投与(サイアザイド利尿薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬など)を開始するべきである。


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