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腹痛を主訴に来院した52歳女性

2007.10.01 (Mon)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 52歳の女性。腹痛を主訴に来院した。数年前から時々上腹部痛があり,昨年上部消化管造影を受け十二指腸球部の変形を指摘された。夫と二人暮らしである。5日前から空腹時にみぞおちが鈍く痛むようになり,2日前から黒色便が続いている。少し動くと動悸がする。意識は清明。身長157cm,体重48kg。体温36.5℃。脈拍112/分,整。血圧92/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心雑音はなく,呼吸音に異常はない。上腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球270万,Hb 7.0g/dl,Ht 21%,白血球8000,血小板24万。担当医は緊急上部消化管内視鏡検査と入院治療とが必要であると考えて説明を行ったが,患者は「夫の世話をしなければならないので,内服薬をもらって帰りたい」と言っている。
 検査と入院とを勧める際,信頼関係の構築に適切でないのはどれか。
a 指示に従わない限り治療しないと示唆する。
b 検査で判明する疾患を説明する。
c 入院治療の効果を強調する。
d 病態の重篤性を説明する。
e 家族の協力を依頼する。



問題:100D25

正解:a 正解率:85.6%

解説:
①数年前から時々上腹部痛がある。
②昨年、上部消化管造影を受け十二指腸球部の変形を指摘
→十二指腸潰瘍の既往を示唆
③5日前から空腹時にみぞおちが鈍く痛むようになり、2日前から黒色便が続いている。
→上部消化管出血が続いている
④少し動くと動悸がする
⑤Hb7.0g/dl,Ht21%
→貧血があり、輸血を検討する。

以上より、上部消化管出血とそれに伴う貧血がみられる。緊急上部消化管内視鏡検査と入院治療とが必要である

×a 示唆ではなく高圧的であったり、脅迫と取られかねない。信頼関係の構築を考える上では、不適である。

○b 現段階での検査結果など、判明していることを伝え、検査が必要だと納得してもらう必要がある。

○c 上記と関連して、検査・入院の意義を説明し、納得してもらうことは重要な配慮である。

○d すでに重篤な貧血の状態であり、入院の上、精査や治療が必要であると説明する。

○e 家族にも病状の深刻さ、緊急性を説明し、一緒になって患者に納得してもらえるよう働きかけることは効果的な方法である。


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