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腹痛を訴えて来院した28歳女性

2007.11.16 (Fri)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 28歳の女性。腹痛を訴えて来院した。2日前から心窩部に重苦しい痛みが出現し,嘔気があった。体温は37.4℃であった。今朝から痛みは右下腹部に移動し,我慢できないほど強くなった。階段を降りるときには,右下腹部に痛みが響く。下痢はなく,2日前に排便があった。月経は1週前に終わっている。24歳時に帝王切開で出産した。意識は清明。体温37.8℃。脈拍104/分,整。血圧136/86mmHg。血液所見:赤血球390万,Hb 11.9g/dl,Ht 35%,白血球18000。
 この患者で可能性が最も高いのはどれか。
a 上腹部に暗紫色の皮下出血がみられる。
b 心窩部の聴診で血管雑音がある。
c 打診で仰臥位と側臥位とで濁音界が移動する。
d 圧痛の最強点は臍と恥骨結合の中点である。
e 圧痛部の痛みは押すときより急に離すときの方が強い。


問題:98F14

正解:e 正解率:90.6%

解説:
①腹痛
②心窩部から右下腹部に移動する疼痛(→急性虫垂炎?)
③悪心
④37.8℃の発熱,白血球18,000(→炎症)

×a 上腹部に暗紫色の皮下出血は、急性膵炎において出血性の皮膚着色斑が臍部周囲(Cullen徴候)や側腹部(Grey-Turner徴候)がみられることを示していると思われる。急性膵炎の腹痛は心窩部が最も多く、季肋部がこれに次ぐ。疼痛は持続痛が多く、しばしば背部へ放散する。1万~2万/mlの白血球増加を認めることが多い。

×b 心窩部の聴診で血管雑音がみられるのは、大動脈瘤、大動脈炎症候群でみられる所見である。

×c 打診で仰臥位と側臥位とで濁音界が移動するのは、腹水が存在する場合にみられる所見である。虫垂炎において腹水の合併は稀(汎発性腹膜炎合併時)である。

×d 急性虫垂炎のMcBurney点は、右側臍棘線上で右上前腸骨棘からその長さの"約1/3"の点である。

○e 圧痛部の痛みが、押すときより急に離すときの方が強いのは、急性虫垂炎の理学的所見の特徴(Blumberg徴候)の一つである。


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