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両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した65歳男性

2007.11.28 (Wed)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 65歳の男性。両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した。
現病歴:3か月前からリンパ節腫脹が出現し,次第に増大してきた。この間,発熱や体重減少は認めていない。
既往歴:特記すべきことはない。
現症:意識は清明。身長166cm,体重62kg。体温36.7℃。脈拍72/分,整。血圧116/66mmHg。皮膚は正常。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。両側頸部と鼠径部とに,直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知する。可動性を認めるが圧痛はない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球524万,Hb 15.2g/dl,Ht 47%,白血球5800(桿状核好中球2%,分葉核好中球56%,単球10%,好酸球4%,好塩基球3%,リンパ球25%),血小板34万。血清生化学所見:総蛋白7.3g/dl,アルブミン4.2g/dl,尿素窒素12mg/dl,クレアチニン0.7mg/dl,総コレステロール217mg/dl,AST 50 IU/l,ALT 28 IU/l,LDH 530 IU/l(基準176~353),可溶性IL-2受容体2280U/ml(基準220~530)。免疫学所見:CRP 5.4mg/dl,ツベルクリン反応陰性。
 検査として適切でないのはどれか。
a 骨髄穿刺
b リンパ節生検
c 胸腹部造影CT
d 胸部X線撮影
e 全身骨X線単純撮影



問題:100D32(100D31と連問)

正解:e 正解率:46.5%
誤答はa 20.5%およびc 16.2%が多かった。

解説:
①65歳の男性
②3か月前からリンパ節腫脹が出現し、次第に増大
③直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知
④可動性を認めるが圧痛はない
⑤可溶性IL-2受容体高値
⑥LDH高値
⑦CRP高値
頸部、鼠径部のリンパ節腫脹や典型的な臨床所見から、悪性リンパ腫が疑われる。

○a 悪性リンパ腫の約30%で骨髄浸潤がみられるため、骨髄穿刺は必要であり、浸潤の有無は病期決定に重要である。

○b リンパ節生検は、診断確定のために必須である。

○c 胸腹部造影CTは、縦隔や腹腔内リンパ節の腫大や臓器浸潤の有無の検索に有用である。

○d 胸部エックス線撮影は、縦隔や腹腔内リンパ節の腫大の有無などが分かり、CTなどよりも簡便に検査できる。

×e 全身骨エックス線単純撮影は、多発性骨髄腫などで必要となる。悪性リンパ腫では骨の異常は、通常みられない。

【補足】
最も考えられるのはどれか。
a 伝染性単核症
b 悪性リンパ腫
c 多発性骨髄腫
d 結核性リンパ節炎
e 癌のリンパ節転移



問題:100D31

答え:b

解説:
上記①~⑦より、悪性リンパ腫が最も考えられる。
×a 伝染性単核症は一過性のリンパ節腫大であり、3ヶ月も続くことは考えにくい。

○b 悪性リンパ腫が最も考えられる。

×c 多発性骨髄腫でもリンパ節腫大をきたすことがあるが、骨の疼痛や貧血がより一般的な症状としてみられることが多い。

×d 結核性リンパ節炎では、硬いリンパ節を触れることが多い。その他結核を疑わせる所見はみられないことや、ツベルクリン反応陰性であることから否定的である。

×e 癌のリンパ節転移では硬く、しばしば凹凸不整で可動性がないことが特徴的である。


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