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黄色靱帯骨化症

2006.11.29 (Wed)


黄色靱帯骨化症



【概念】
 黄色靱帯骨化症 (ossification of yellow ligament;OYL)では、椎体周辺の骨性変化(椎間板変性,椎弓間距離の短縮,椎間関節の内方偏位,球状膨隆など)および加齢的変化などの結果、二次的に黄色靱帯yellow ligamentsの形態に変化が生じ変性・肥厚などが生ずる。
 正常では黄色靱帯はその部位によっても異なるが、一般的に4~10mmの厚さがある。外傷や病的な原因で黄色靱帯の弾性線維の量が減少し、コラーゲン線維で置換され、増生し、走行の乱れが強くなると黄色靱帯は肥厚状態となる。黄色靱帯肥厚では脊椎管腔を後方および側方から狭小化するため、臨床的には脊柱管狭窄〔症〕の症状を呈する。とくに黄色靱帯のcapsular portionの肥厚は神経根圧迫となり、側方脊柱管狭窄症の原因となる。

【症状】
 初発症状は下肢のしびれや脱力感が多く、その時点でも詳細に神経学的検査を行うと、半数以上に運動障害、知覚障害、深部件反射の異常、膀胱直腸障害が認められる。OYLに特有な症状はないが、外傷を契機に急激に対麻痺が進行したり、腰痛を主訴とするが、神経学的所見ではもっと高いレベルに病変があると推定された時、Brown-Sequard 症状を示すとき、などでは空間占拠性病変と同時にOYLを考慮するとよいと考えられる。
 上記に示す症状をまとめると、以下のようになる。


自覚症状ならびに身体所見
① 四肢・躯幹のしびれ,痛み,知覚障害
② 四肢・躯幹の運動障害
③ 膀胱直腸障害
④ 脊柱の可動域制限
⑤ 四肢の腱反射亢進
⑥ 四肢の病的反射




【診断・検査】
 神経学的所見では、上記の症状などの同定が重要であると考えられる。また、画像診断では、以下のようなことが判断される。
(1) 単純X線
黄色靱帯骨化は椎弓間に観察され、側面像で椎体後縁に並行する骨化像として認められる。3型に分けられており、1.separated type 2.fused type 3.isolated typeである。
(2) 断層写真
単純X線写真により靭帯骨化の有無の判定が困難な場合は,側面断層写真が有用で
あるとされている。
(3) CT
靭帯骨化の脊柱管内の拡がりや横断面での骨化の形態は、CT によりとらえられる。
(4) MRI
靱帯骨化による脊髄の圧迫病態を見るには、MRI が有用である。

【治療】
 神経刺激症状が出現した場合に、治療の対象となる。保存的治療としては、安静臥床や消炎鎮痛剤の内服を行う。痛みが強い場合は硬膜外ブロックを行うこともある。種々の治療法を組み合わせて経過観察するが、神経症状の強い場合は手術を行う。この場合、椎弓切除術などで骨化巣を切除して圧迫部を解放する。頚椎後縦靭帯骨化症を合併している場合は、症状を来している部位を検査し、どちらが病気の主体をなしているか決定する。どちらかはっきりしない場合、頚椎を先に手術することもある。
 
【予後】
 定期的な検査が必要である。症状が重度になると、日常生活に介助を要するなど、かなり障害がでてくることとなる。一般に、脊髄神経症状は慢性進行性であるとされている。軽微な外力で四肢麻痺になることがあり、転倒にも注意が必要である。


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