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フロッピーインファントの鑑別について

2008.01.14 (Mon)
先天的に筋緊張が著明に低下し、四肢の運動発達が遅れ、明らかな進行を示さないものをフロッピーインファントという。障害部位によっては、以下のように分かれる。

①大脳皮質(精神遅滞,無緊張性両麻痺)
②大脳基底核(アテトーゼ型脳性麻痺)
③小脳(失調型脳性麻痺)
④脊髄(頸髄損傷)
⑤脊髄前角細胞(ウェルドニッヒ-ホフマン病)
⑥末梢神経(ニューロパチー)
⑦神経筋接合部(重症筋無力症)
⑧筋(先天性ミオパチー)
⑨結合組織(エーラース-ダンロス症候群)

また、本症は筋力低下の有無によって、麻痺型と非麻痺型に分類される。非麻痺状態のものは①大脳皮質(精神遅滞,無緊張性両麻痺)、②大脳基底核(アテトーゼ型脳性麻痺)、③小脳(失調型脳性麻痺)、⑨結合組織(エーラース-ダンロス症候群)などである。

遺伝性、腱反射、筋萎縮、知能、血清CK、関節拘縮などで以下のように鑑別診断する。
麻痺(筋力低下) 鑑別ポイント 疾患名
あり 舌の萎縮性攣縮、腱反射消失、CK正常、筋電図:神経原性変化→ Werdnig-Hoffmann病
筋生検→ グリコーゲンの蓄積 Pompe病
構造異常あり 先天性ミオパチー
なし 中枢神経疾患(21 trisomy、特有の顔貌)→ Down症候群
全身性疾患→   良性先天性筋緊張低下症
TSH高値 クレチン症
15番染色体部分欠失、哺乳障害 Prader-Willi症候群


【例題01】
生後4ヶ月の乳児。呼吸が苦しそうなので母親に連れられて来院した。呼吸数52回/分、シーソー呼吸である。体は柔らかく、四肢体幹は弛緩している。頚定は認めず、あやすとよく笑い、母親と他人の区別がつく。舌の表面にうごめくような筋の攣縮が認められる。深部反射は消失している。血清CK38単位(基準10~40)。この患児で考えられるのはどれか。
a 先天性筋ジストロフィー症
b Becker型進行性筋ジストロフィー症
c Duchenne型進行性筋ジストロフィー症
d Kugelberg-Welander病
e Werdnig-Hoffmann病


問題:98D44

答え:e

解説:
①シーソー様呼吸(→呼吸困難)
②四肢体幹の弛緩
③深部反射消失、線維束攣縮(→下位運動ニューロン疾患の障害)
④CK正常(→筋原性疾患は否定的)
これらのキーワードから、Werdnig-Hoffmann病が正解であると分かる。

【例題02】
Floppy infantにおいて筋力低下を伴うのはどれか。
(1) Down 症候群
(2) Prader-Willi 症候群
(3) 筋緊張性ジストロフィー
(4) Werdnig-Hoffmann 病
(5) Ehlers-Danlos 症候群
a (1)(2)
b (1)(5)
c (2)(3)
d (3)(4)
e (4)(5)

問題:85A47

答え:d (3)(4)

解説:
上記より、非麻痺型である(1) Down 症候群、(2) Prader-Willi 症候群、 (5) Ehlers-Danlos 症候群は除かれる。故に、(3) 筋緊張性ジストロフィー、(4) Werdnig-Hoffmann 病が正解となる。

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