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手指のふるえを主訴に来院した51歳男性

2008.01.15 (Tue)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 51歳の男性。手指のふるえを主訴に来院した。
現病歴:3年前に肝機能異常を指摘され,1か月間の禁酒でAST,ALT,γ-GTPが著明に改善した。その2か月後から再度常用飲酒が始まり,最近,手のふるえ,食欲不振および不眠を認めるようになった。アルコールによる肝障害を自分で理解しつつも,周囲から指摘されるのを拒み,飲酒問題を語ろうとしない。
既往歴:特記すべきことはない。
現症:身長170cm,体重68kg。脈拍72/分,整。血圧120/70mmHg。安静時に両手指の細かなふるえがみられる。腹部はやや膨隆し,肝を右肋骨弓下に4cm触知する。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球450万,Hb 14.7g/dl,Ht 44%,白血球7200,血小板12万。血清生化学所見:空腹時血糖110mg/dl, AST 130 IU/l,ALT 75 IU/l,γ-GTP 280 IU/l(基準8~50),コリンエステラーゼ410 IU/l(基準400~800)。
 飲酒問題を話し合うために,適切でない質問はどれか。
a 人から「もう少し酒を控えた方がいいんじゃないか」と注意されたことがありますか。
b 飲酒であなたの心身がボロボロになってしまってもいいのですか。
c 神経がいらいらしたり,二日酔いのため朝から飲酒したことがありますか。
d 自分でも「少しアルコールが過ぎるな」と思ったことがありますか。
e 飲酒について,後悔したり罪悪感を感じたことがありますか。



問題:97F49(97F50と連問)

正解:b 正解率:92.3%

解説:

①禁酒でAST、ALT、γ-GTPが著明に改善(アルコール性肝障害)
②手のふるえ、食欲不振および不眠(アルコール依存症)
③周囲から指摘されるのを拒む(患者の自尊心に、十分注意した対応を要する)


これらから、アルコール依存症、アルコール性肝障害を呈し、早急に治療を要するケースである。

○a CAGEスクリーニングテストの"Annoyed"についての質問である。

×b 周囲から指摘されることを拒んでいるような患者に、この様な脅迫的な発言は、さらに拒絶を強めてしまう危険性がある。

○c "Eye-opener"についての質問である。

○d "Cut-down"についての質問である。

○e "Guilty"についての質問である。

【補足】上記問題の連問
この患者の治療に、関連のないのはどれか。
a 精神保健福祉センター
b 在宅介護支援センター
c 自助グループ
d 精神病院
e 保健所



問題:97F50

答え:b

解説:
○a 精神保健福祉センターでは、「アルコール関連問題に関する相談指導事業」を行っている。

×b 在宅介護支援センターは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設に併設され、在宅の要介護高齢者に介護サービスを提供している。

○c 自助グループでは、断酒を継続し、アルコール依存症から回復するために患者同士が集まり語り合い、問題解決を目指す団体である。

○d アルコール専門病棟を持つ専門病院では、アルコール症リハビリテーションプログラム(ARP)などを行っている。

○e 保健所においても、相談窓口を設けている。

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