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分娩時出血の鑑別診断について

2008.01.18 (Fri)
分娩時出血量は通常500ml未満であり、平均では250ml程度といわれる。分娩時出血の原因としては、以下のようなものがある。

分娩第1期の鑑別診断
  常位胎盤早期剥離 前置胎盤 子宮破裂 辺縁静脈洞破裂
出血の程度 内出血が主だが、外出血を認めることもある。 無痛性の多量の外出血 内出血が主である。 少量の外出血
痛みの程度 突然の激しい腹痛 無痛性である。 突然の腹痛 無痛性である。
特徴 妊娠高血圧症候群を合併することが多い。腹壁板状硬となる。 少量の出血(警告出血)を認めることがある。 突然の腹痛の後、陣痛が消失する。 陣痛、CTGは正常である。胎児娩出後に診断される。


分娩第2期の鑑別診断
分娩直後から出血が持続している場合は、

①弛緩出血 ②頸管裂傷 ③胎盤遺残 ④子宮内反症 ⑤膣壁裂傷 ⑥DIC

などを考える。特に、>①弛緩出血 ②頸管裂傷 ③胎盤遺残が3大原因となる。

  頸管裂傷 弛緩出血
出血の状態 児娩出直後から鮮血が持続する 胎盤娩出後に凝血を含む暗赤色血液
子宮収縮 不良
子宮体部圧迫 出血量は変化しない 凝血塊や血液が押し出される

  疼痛 子宮収縮
弛緩出血 × 不良
頸管裂傷 × 良好
胎盤遺残 × 不良
子宮内反症 不良

・分娩後の子宮収縮が良好なら、弛緩出血は否定的である。
・胎盤遺残の場合は、胎盤に欠損を認め、子宮体部の収縮は不良である。
・子宮内反症の場合は、子宮底が触知出来ず、ショックは必発である。

【例題01】
妊娠分娩時に大量の外出血をきたすのはどれか。
(1) 前置胎盤
(2) 常位胎盤早期剥離
(3) 子宮破裂
(4) 子宮内反症
(5) 弛緩出血

a (1)(2)(3) b (1)(2)(5) c (1)(4)(5) d (2)(3)(4) e (3)(4)(5)
問題:89B6

答え:c (1)(4)(5)

解説:上記表より、常位胎盤早期剥離、子宮破裂は内出血が主であり、大量の外出血はきたさない。ゆえに、(1) 前置胎盤 (4) 子宮内反症 (5) 弛緩出血が正解である。

【例題02】
30歳の初産婦。妊娠中の異常は指摘されていない。分娩第2期は30分で経過し、3,050 g の女児を経膣分娩した。胎盤は自然剥離して5分後に娩出され欠損はない。膣内から新鮮な血液が20分で900g流出した。疼痛はなく顔色は蒼白である。脈拍90/分、整。血圧96/64mmHg。子宮底は臍下5cmで体部の収縮は良好である。考えられるのはどれか。
(1) 弛緩出血
(2) 子宮内反症
(3) 胎盤遺残
(4) 頚管裂傷
(5) 膣壁裂傷

a (1)(2)   b (1)(5)  c (2)(3)   d (3)(4)   e (4)(5)
問題:95D1

答え:e

解説:

①子宮体部収縮良好
②疼痛(-)

これらから、上記表より
×(1)弛緩出血→弛緩出血なら、子宮収縮は不良
×(2)子宮内反症→ 子宮内反症なら、子宮収縮は不良で疼痛もある。

また、胎盤の欠損もないので、×(3)胎盤遺残 となる。

故に、(4) 頚管裂傷 (5) 膣壁裂傷 が正解となる。

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