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びまん性甲状腺腫の鑑別診断

2008.01.19 (Sat)
甲状腺機能 硬さ 圧痛 疾患名
正常 なし 単純性びまん性甲状腺腫
なし 悪性リンパ腫
あり 甲状腺未分化癌
正常~低下 弾性硬~硬 なし 慢性甲状腺炎(橋本病)
機能亢進 なし Basedow病
やや軟 なし 無痛性甲状腺炎
強い 亜急性甲状腺炎
・びまん性甲状腺腫をきたす疾患の内、圧痛をみとめるのは甲状腺未分化癌と亜急性甲状腺炎である。
・びまん性甲状腺腫をきたす疾患の内、甲状腺機能亢進をきたすのはBasedow病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎である。
・亜急性甲状腺炎の病初期には甲状腺濾胞の破壊時に甲状腺ホルモンが放出され、甲状腺機能亢進症状を呈する。慢性期にはいると、甲状腺機能低下をきたすことがある。
・橋本病に特発性Addison病を合併したものをSchmidt症候群という。女性に多いと言われている。自己免疫的機序による内分泌腺の破壊が病態を形成しているものと考えられ、HLA-DR3およびHLA-DR4の保有率が高い。

【例題01】
52歳の女性。1週前からの動悸を主訴に来院した。発汗が多く、易疲労感がある。身長162cm、体重52kg。体温37.4℃。脈拍104/分、整。血圧162/72mmHg。皮膚は湿潤し、手指に振戦を認める。頚部にびまん性の痛みのない甲状腺腫を触知する。
尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球420万、Hb13.0g/dl、Ht37%、白血球5,000、血小板20万。血清生化学所見:尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、総コレステロール105mg/dl、AST30単位(基準40以下)、ALT25単位(基準35以下)、アルカリホスファターゼ420単位(基準260以下)、γ-GTP30単位(基準8~50)、Na138mEq/l、K4.0mEq/l、Cl99mEq/l、Ca9.8mg/dl。TSH 0.1μU/ml以下(基準0.2~4.0)、遊離サイロキシン4.3ng/dl(基準0.8~1.8)。甲状腺123 I摂取率24時間値6%(基準10~40)。診断はどれか。
a Basedow病
b Plummer病
c 甲状腺乳頭癌
d 無痛性甲状腺炎
e 甲状腺悪性リンパ腫

問題:98D48

答え:d 無痛性甲状腺炎

解説:
①動悸、発汗過多、手指振戦、びまん性甲状腺腫(→甲状腺中毒症状)
②甲状腺に圧痛(-)
③TSH0.1μU/ml、freeT4 4.3ng/dl(→甲状腺機能亢進)
④血中総コレステロールの低下、血中ALPの上昇(→甲状腺ホルモン過剰による代謝障害、骨代謝障害)
⑤甲状腺123I摂取率低下(→破壊性甲状腺疾患)

まず、びまん性甲状腺腫をきたしている状態で、かつ甲状腺機能亢進を呈するものはBasedow病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎に絞られる。かつ圧痛がないので、亜急性甲状腺炎は否定される。

また、Basedow病ならば、123I摂取率が亢進しているはずである。故に、d 無痛性甲状腺炎が正解となる。ちなみに、甲状腺乳頭癌は、結節性甲状腺腫である(結節部の123I摂取率は低下する)。

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