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全身倦怠感と尿量の減少を主訴に来院した78歳男性

2008.01.25 (Fri)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 78歳の男性。全身倦怠感と尿量の減少とを訴えて来院した。
現病歴:昨日山菜を採りに行き,道に迷い歩き回った。足腰が痛くなり山中で座り込んでいるところを家族に今朝発見された。全身倦怠感があり,尿量も少なくなっている。
既往歴:69歳から前立腺肥大で加療中である。
現症:意識は清明。身長162cm,体重57kg。体温36.9℃。脈拍112/分,整。血圧86/54mmHg。皮膚は乾燥している。胸部に異常を認めない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下腿に浮腫はない。直腸診で腫大した前立腺を触知する。
検査所見:尿所見:比重1.035,蛋白(±),糖(-),潜血(-),沈渣に異常はない。血液所見:赤血球512万,Hb 16.4g/dl,Ht 48%,白血球8600,血小板22万。血清生化学所見:尿素窒素78mg/dl,クレアチニン2.8mg/dl,尿酸11.2mg/dl,AST 35 IU/l,ALT 20 IU/l,LDH 350 IU/l(基準176~353),CK 45 IU/l(基準10~40),Na 140mEq/l,K 5.0mEq/l,Cl 104mEq/l,Ca 9.2mg/dl,P 3.0mg/dl。
 まず行うべき検査はどれか。
a 腹部超音波検査
b 静脈性尿路〈腎盂〉造影
c 腹部造影CT
d 膀胱鏡
e 前立腺生検



問題:97F41(97F42と連問)

正解:a 正解率:90.5%

解説:

①全身倦怠感
②尿量減少
③前立腺肥大(尿量減少の原因の一つ)
③皮膚は乾燥している(脱水の可能性)


現症から脱水症を呈しているのは明らかであるが、それが脱水性の乏尿なのか、前立腺肥大による器質的な尿路閉塞によるものなのかといった鑑別が必要となる。

○a 腹部超音波検査により、水腎症、尿路結石などの有無を調べる。

×b c 静脈性尿路〈腎盂〉造影、腹部造影CTなどは脱水の補正を先に行うべきである。

×d 膀胱鏡は、膀胱内の病変が疑われる場合に行う。

×e 前立腺生検は、まず行うべき検査ではない。

【補足】
まず行うべき処置はどれか。
a 利尿薬投与
b 非ステロイド性抗炎症薬投与
c 副腎皮質ステロイド薬投与
d 輸液
e 膀胱穿刺



問題:97F42

答え:d 輸液

解説:
×a 脱水状態にあり、利尿薬投与は行わない。

×b 非ステロイド性抗炎症薬投与は、疼痛の原因・診断が得られてからの処方が基本である。

×c 副腎皮質ステロイド薬投与は、炎症性疾患の急性期に使用することがある。

○d 輸液により脱水を補正する必要がある。

×e 膀胱穿刺は、脱水が補正されてもなお、乏尿が続く場合の処置として考慮される。

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