医学生/研修医向け 基礎医学 内科学 ゴロ合わせ 内科認定医試験
診療データ TNM分類一覧 病期(ステージ)一覧 抗菌薬 診断基準・ガイドライン一覧

当サイトのページランキング

孤立性肺結節の鑑別診断

2008.01.28 (Mon)
孤立性肺結節の鑑別ポイントとしては、以下のようなものがある。
過誤腫やアミロイドーシスなどの良性結節
粗大な石灰化巣が1つまたは複数存在するといった所見は、陳旧性炎症以外であれば過誤腫やアミロイドーシスなどの良性結節を示唆する。ただし微細な点状の石灰化巣の散布は、悪性結節にあり得る。

炎症性病変
境界が明瞭で、直線的または病変側にゆるやかにカーブするといった病変がみられた場合、小葉内で均一に進行し、かつ小葉間隔壁で進展が阻止されたことを示し、炎症性病変で起こりやすい。器質化肺炎でみられる像である。

肺結核
結節の肺門側に小粒状影の散布がみられることがあるが、これは衛星病巣と呼ばれ、肺結核で比較的多くみられる。結節に関係する気管支の壁肥厚や拡張もみられる。結節の末梢側の小粒状影がみられることがあるが、これは気管支閉塞による閉塞性肺炎の可能性があり、肺癌との鑑別点にならない。

・上記所見を欠く場合、肺結核、肺クリプトコッカス症、犬糸状虫症は画像だけから肺癌と区別するのは難しい。

・良・悪性の診断上で有用な所見は、まとめると以下のようなものがある。
良性が多い 石灰化:中心性/全体/層状/ポップコーン状
2年以上増大なし
Doubling time<1ヶ月 or >6ヶ月
悪性が多い 棘状突起(spicula)、胸膜嵌入像(pleural indentation)
辺縁の切痕形成(notch sign)、分葉化(lobulation)
陰影内濃度不均衡などで境界不鮮明
胸水、胸壁や縦隔への浸潤、血管・気管支の末梢性収束
大きさ>4cm
doubling time:培養細胞系で細胞数が2倍に達する時間、もしくは腫瘍体積が倍になるのに要する時間(倍加時間)

・ちなみに、画像の経過で比較的短期間に結節が縮小する場合は、一般的に悪性疾患は除外される。一方、高分化腺癌は数年の経過でも大きさに変化がないようにみえ、大きくならないから悪性ではないと言えないため、注意が必要である。

・肺癌の胸部レントゲン像における鑑別のポイントは、以下のようなものがある。
低濃度結節影 高分化型腺癌 ・内部が比較的淡く、辺縁が不明瞭、腫瘤影周囲の気管支や肺血管が末梢性収束を示し、胸膜陥入像を伴うことも多い
高濃度結節影 低分化型腺癌 ・高分化型に比べ辺縁は明確、末梢性収束は弱く、胸膜陥入像は鈍的
・中心部に壊死病巣を伴うこともある
扁平上皮癌 ・肺門部に多く発生し、気管支内腔に発育して、その末梢側に二次変化像(閉塞性肺炎,無気肺像,肺容積減少)を伴うことも多い
・腫瘍中心部の空洞形成を伴うこともある
大細胞癌 ・腫瘍陰影の濃度は比較的濃く、辺縁はシャープで円形陰影を呈することが多い
・病巣気管支は閉塞中断される
小細胞癌 ・原発巣は指摘できないこともあるが、肺門縦隔リンパ節腫大が著明
・ときに末梢肺野発生の小細胞肺癌もあり、孤立性結節影を呈するが、高分化型腺癌と比較して周囲を巻き込むような収束傾向は少ない

【関連記事】
肺癌の鑑別

縦隔に存在する臓器と腫瘍


トップページへ  |  この記事へのリンク  |  呼吸器
Adminブログパーツ