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腰背部の激痛を訴え来院した58歳女性

2008.01.28 (Mon)
今日の一問必修の基本的事項11「主要疾患・外傷・症候群」
 58歳の女性。腰背部の激痛を訴え,家族に付き添われ来院した。
現病歴:関節リウマチで15年間治療中であり,5年前に右膝人工関節置換術を受け,現在は少量の副腎皮質ステロイド薬と非ステロイド性抗炎症薬とを中心に服用中である。特に誘因なく4日前から増悪する腰背部痛を自覚した。
既往歴:特記すべきことはない。
現症:身長154cm,体重46kg。円背があり,胸腰移行部に強い自発痛と叩打痛とがあり,坐位保持は30分間が限度である。神経学的には明らかな脊髄症状はみられない。手指変形と多発性関節痛とがある。屋内は伝い歩きが可能であるが,屋外歩行は困難である。
検査所見:胸腰椎X線単純撮影で第7,8,9および12胸椎に圧迫骨折が認められる。
経過:以上の所見から入院となった。体幹装具を作製し,歩行訓練を始め,杖歩行が可能となった。4週経過し退院準備中である。なお本人の自宅居室は1階にある。
退院前検査所見:血液所見:赤血球370万,Hb 10.5g/dl,白血球6000。血清生化学所見:総蛋白5.8g/dl,アルブミン3.5g/dl。CRP 2.3mg/dl(基準0.3以下)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):PaO2 80Torr,PaCO2 40Torr。胸部X線写真で軽度の間質性肺炎の所見がみられる。
 自宅への退院にあたり必要なのはどれか。
a 住居新築
b 安静臥床
c 在宅酸素療法
d 電動車椅子使用
e 日常生活動作指導



問題:96F49(96F50と連問)

正解:e 正解率:90.8%

解説:
①58歳女性(閉経後と考えられる女性)
②関節リウマチの既往
③副腎皮質ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬を服用
④腰背部痛(次第に増悪)
⑤圧迫骨折
よって、これらから圧迫骨折を起こしていると考えられる。

本症例では「体幹装具を作製し、歩行訓練を始め、杖歩行が可能となった。4週経過し退院準備中である」とある。すでに安静による疼痛軽減の時期は過ぎているので、今後は日常生活の活動性を元に戻していく方向へとリハビリが必要である。

×a 杖歩行まで回復している状態であり、自宅居室が1階のため、住居新築は不要である。

×b 急性期を過ぎて、杖歩行まで回復している状態であり、安静臥床する必要はない。

×c room airにてPaO2 80Torr、PaCO2 40 Torrであり、在宅酸素療法は不要である。

×d 関節リウマチによる手指変形と多発関節痛があったとしても、体幹装具を使用し、杖歩行が可能ならば電動車椅子は不要である。

○e 日常生活動作が杖歩行まで可能ならば、今後、自宅での指導をすべきである。

【補足】
この患者で今後注意すべき疾患はどれか。
a 脳梗塞
b 肝硬変
c 胃潰瘍
d 自然気胸
e 心筋梗塞


問題:96F50

正解:c 正解率:56.3%

解説:
×a 脳梗塞 b 肝硬変 d 自然気胸 e 心筋梗塞
→これらは上記内服薬の副作用と強い関連はない。

○c 胃潰瘍
→ステロイドの内服による副作用に、胃潰瘍(ステロイド内服により、胃粘膜でのプロスタグランジン産生を強く抑えられる。結果、胃粘膜の保護ができなくなり、胃潰瘍を起こすことがある。消化管出血を起こすことも)がある。

また、非ステロイド性抗炎症薬の内服によっても、プロスタグランジン産生が抑制されてしまい、胃潰瘍の発生が問題となる。

故に、c 胃潰瘍が正解となる。ちなみに、消炎鎮痛薬処方の際には、胃粘膜保護薬を一緒に処方することが重要となる。

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