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尿細管機能異常および対応疾患の病態

2008.02.04 (Mon)
腎において、糸球体濾過によって老廃物の排泄が行われている。しかし、糸球体では蛋白などの大きな分子を除いて、ほとんどの溶質が無差別に濾過されてしまう。そこで、尿細管の働きである、これら大切な溶質を再吸収し、回収する働きが必要となる。

・近位尿細管
基本的な溶質の再吸収は、主として近位尿細管で行われる。
近位尿細管の血管側細胞膜には、Na+-K+ATPaseがあり、細胞内のNa+が低く保たれ、細胞内が負の電位をもつ。

一方、管腔側細胞膜には、ブドウ糖、アミノ酸、リンを輸送する担体がある。これにより、荷電がない、もしくは負の荷電をもつものに、Na+が結合することによってこれらの溶質が管腔側細胞膜を経て細胞内に取り込まれる(→ここが障害されると、腎性糖尿,アミノ酸尿,リン酸尿が起こる)。

さらに、Na+/H+の逆輸送系と炭酸脱水酵素によって、H+の分泌とHCO3-の再吸収が行われる(→ここが障害されると、近位尿細管性アシドーシス)。

上記全ての輸送系が障害されると、Fanconi症候群となる。

【補足】近位尿細管のクロライドチャネル(ClC-5)の変位により、Dent病が起こる。
小分子蛋白は、小胞内に取り込まれ管腔側から漿膜側へ輸送されるが、その際H+-ATPaseによりH+が、ClC-5によりCl-が小胞内に輸送される。これが障害されることで、腎尿路結石と小分子蛋白尿が起こる。

・遠位尿細管
遠位側の尿細管は、酸、アンモニアの排泄、K+の排泄、尿の濃縮など、体液組成の微妙な調節に関与している。太いHenleループ上行脚は、NaClを能動的に輸送し、いわゆる対向流増幅系として腎髄質の浸透圧勾配の形成に重要な役割を果たしている。

Bartter症候群は、太いHenle上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送、K+チャネルまたは遠位尿細管にあるサイアザイド感受性Na-Clチャネルの異常によるNaCl再吸収障害である。

Gitelman症候群は、遠位尿細管の管腔側にあるNa+-Cl-共輸送の異常による。

Liddle症候群は、遠位側尿細管の管腔側細胞膜にあるアミロライド感受性Na+チャネルの遺伝子異常により、Na+再吸収の亢進、K+の過剰排泄が起こる。

遠位尿細管性アシドーシスは、遠位側ネフロンでのH+輸送機能の異常による。
  近位尿細管 Henle係蹄 遠位尿細管 集合管
再吸収 Na+、Cl-、K+
HCO3-
Na+、CL- Na+、Cl- Na+
水、ブドウ糖、尿素
分泌 H+   K+、H+  
    NH3 NH3
関連ホルモン     アルドステロン 抗利尿ホルモン
疾患 Fanconi症候群 Bartter症候群 腎性尿崩症
腎性糖尿   Gitelman症候群  
アミノ酸尿 遠位尿細管性アシドーシス  
Dent病  


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