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甲状腺機能低下症について

2008.06.28 (Sat)
甲状腺機能低下症は、組織に甲状腺ホルモンが作用しないことにより起こる疾患ということができる。組織に甲状腺ホルモンが作用しない原因は、「血中遊離甲状腺ホルモン欠乏」および「組織の甲状腺ホルモン不応」のどちらかである。

甲状腺機能低下症は以下のように、I.甲状腺性(原発性)、II.視床下部性、下垂体性(二次性)、III.末梢性甲状腺機能低下症の3つに分類できる。
Ⅰ.甲状腺性(原発性) A.後天性 甲状腺破壊 慢性甲状腺炎(橋本病)
手術・放射線治療
亜急性甲状腺炎後(一過性)
シスチノーシス
甲状腺癌、新生物
正常機能の甲状腺が抑制 ヨード欠乏
ヨード過剰(6mg/day以上):基に橋本病などの甲状腺疾患
薬物(リチウムや、抗甲状腺薬、PASなど)
B.先天性 甲状腺の発生異常  
甲状腺ホルモン合成異常
胎生期の母胎の影響
Ⅱ.視床下部、下垂体性 A.視床下部性 視床下部腫瘍  
浸潤性病変(サルコイドーシス、histiocytosis X)
放射線照射
TRH単独欠損症、小人症に伴うTRH欠損症
B.下垂体 下垂体腫瘍  
下垂体の手術、放射線治療
特発性下垂体機能低下症
Sheehan症候群
TSH単独欠損症
Ⅲ.末梢性甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモン不応症    
Refetoff症候群

疾患の原因となる局在の大まかな鑑別としては、以下のようになる。
  TSH基礎値 TRH負荷によるTSH
甲状腺原発(一次性) ↑↑↑
下垂体性(二次性)
視床下部性(三次性)

それぞれの概要としては、以下のように概説できる。

I.甲状腺性(原発性)甲状腺機能低下症
頻度としては自己免疫による慢性甲状腺炎が多い。慢性甲状腺炎には甲状腺腫のある慢性甲状腺炎(橋本病)と甲状腺を触れない萎縮性甲状腺炎とがある。

萎縮性甲状腺炎ではブロッキング抗体(TSH受容体抗体;TRAb)が陽性となる。このブロッキング抗体がTSHの作用をブロックし、甲状腺機能を抑制する。血中甲状腺ホルモンと下垂体TSH分泌との間には負のフィードバックがあり、甲状腺性甲状腺機能低下症では血中TSHが増加する。

II.視床下部性,下垂体性(二次性)甲状腺機能低下症
下垂体からのTSH合成、分泌の低下による。これには下垂体そのものの障害によるTSH分泌の低下と視床下部からのTRH(TSH放出ホルモン)の合成、分泌障害によるものとがある。後者の視床下部性のものを三次性という(稀である)。

III.甲状腺ホルモン不応症(全身型)
血中甲状腺ホルモンが正常か、高値であるのにTSHが上昇しており、甲状腺機能低下症の症状を示す。甲状腺ホルモン受容体の遺伝子異常である。


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