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鉄欠乏性貧血の治療について

2008.08.02 (Sat)
貧血とは、末梢血液中の赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hb)濃度あるいはヘマトクリット(Ht)値が低下した状態を指す。中でも、鉄欠乏性貧血とは、鉄が欠乏してヘモグロビン(Hb)合成が障害され、貧血を起こした病態である。

貧血の判定はHb<12g/dLとし、貯蔵鉄欠乏の確定診断指標として血清フェリチン値を用い、補助診断として総鉄結合能(TIBC:total iron binding capacity)を用いる。小球性貧血(MCV<80fL)、血清フェリチン値<12μg/L、およびTIBC≧360μg/dLといった所見がみられる。ちなみに、血清鉄は一般的診療の中ではよく測定されるが、関節リウマチや感染症、悪性腫瘍などの慢性炎症などでも低下するため、鉄欠乏に特異性は低い。

鉄欠乏性貧血の治療としては、体内への鉄供給量の減少、需要量の増大あるいは喪失量の増加のいずれかの原因があり、それを明らかにし原因疾患の治療を並行して行うことが重要となる。特に男性や閉経後女性に関しては、消化管出血や婦人科疾患の有無について検索し、原因となる疾患を有する場合は、それに対する治療が必要となる。また、同時に鉄剤投与を行う。

鉄剤投与法には、経口と静注とがあり、経口投与が原則となり1日100~200mgの鉄を投与する。
だが、Hb値は通常6~8週で正常化するがその後も貯蔵鉄の回復のため血清フェリチン値を目安として3ヶ月ほど内服治療を継続する(胃酸の影響を受けずに溶解しやすいクエン酸第一鉄ナトリウム[フェロミア]は、食後投与でも吸収されやすい)。患者には、服用を中断しないように説明する必要がある。

副作用としては悪心、胸やけ、下痢、便秘などがある。そのため、

a)経口鉄剤の副作用が強く、継続できない。
b)出血など体外喪失があり、経口による摂取では間に合わない。
c)消化管に病変があり、鉄剤投与が悪影響を与える。
d)鉄吸収不良
e)透析や自己血輸血における鉄補給


などの場合には、経静脈的に含糖酸化鉄(フェジンなど)を投与する。

ただ、鉄過剰にならないよう以下の式にて必要鉄量を計算して投与する必要がある。

投与量(mg)=[(16-患者Hb値)×2.7+17]×体重(kg)


鉄剤を静注しても貧血が改善しないからといって漫然と続けるべきでなく、改善しないときは鉄欠乏性貧血以外の原因を考慮する必要がある。

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