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悪性中皮腫の病期分類

2008.09.06 (Sat)
悪性中皮腫とは、胸腔や腹腔などの体腔の表面を被覆する中皮に由来する悪性腫瘍である。中でも、悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma)は胸膜中皮細胞より発生する腫瘍であり、アスベスト被曝との因果関係が指摘されている。

胸膜腫瘍は、原発性と転移性腫瘍に分類され、大部分は転移性腫瘍である。胸膜原発腫瘍の中で最も頻度が高いのは、胸膜の中皮細胞から発生する胸膜中皮腫であり、さらに良性と悪性とに分類される。

悪性胸膜中皮腫は、病理学的に上皮型、線維肉腫型、二相型の3型に分類される(線維肉腫型の中で、硝子化膠原線維を豊富に認める結合組織性中皮腫を亜型として分類していることもある)。これら組織学的所見は予後予測に有用であると思われ、多くの臨床的研究では、上皮型中皮腫の患者は、肉腫型または混合型の中皮腫の患者よりも予後良好であると指摘されている。

また、病期分類としては国際的な病期分類であるTNM分類を含め、International Mesothelioma Interest Groupによる分類(IMIG分類)がある。

IMIG分類
【原発腫瘍 (T)】
TX:原発腫瘍の評価困難
T0:原発腫瘍は認められない
T1:臓側胸膜の病巣浸潤に関係なく、同側の壁側胸膜に浸潤する
T1a:一側の壁側の胸膜に限局
T1b:一側の臓側の胸膜までに限局
T2:一側の肺・横隔膜への浸潤
T3:一側の局所進行腫瘍だが切除可能(胸壁筋・心膜・縦隔 臓器など)
T4:切除不能の腫瘍

【所属リンパ節(N)】
N1:同側の傍気管支、同側の肺門リンパ節
N2:同側の縦隔リンパ節,気管分岐下リンパ節
N3:対側縦隔・肺門または斜角筋および頸部リンパ節

【遠隔転移(M)】
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり

これらのTNMにより、以下のようにステージ分類できる。
stage Ia:T1aN0M0(x:1,2)
stage Ib:T1bN0M0(x:1,2)
stage II:T2N0M0
stage III:TxN1M0(x:1~3)、TxN2M0(x:1~3)、T3NxM0(x:0,1,2)
stage IV:T4N3M1


さらに、UICC(Unio Internationalis Contra Cancrum:国際対癌連合)による分類もある。

UICC分類
【原発腫瘍 (T)】
T1:一側の臓側あるいは壁側の胸膜に限局している
T2:一側の肺・Endothoracic fascia、横隔膜、心膜
T3:一側の胸壁筋・肋骨・縦隔臓器または組織
T4:対側胸腔・肺や腹膜・腹腔内臓器あるいは頸部組織への直接浸潤

【所属リンパ節(N)】
N1:同側の傍気管支、同側の肺門リンパ節
N2:同側の縦隔リンパ節、気管分岐下リンパ節
N3:対側縦隔・肺門または斜角筋および頸部リンパ節

【遠隔転移(M)】
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり

これらのTNMにより、以下のようにステージ分類できる。
stage I:TxN0M0(x:1,2)
stage II:T1N1M0、T2N1M0
stage III:T1N2M0、T2N2M0、T3NxM0(x:0,1,2)
stage IV:TxN3M0、T4NxM0、TxNxM1


また、胸部外科の原則および臨床データに基づいてButchartらが提唱された分類は、以下の通りである(一部修正)。

・I期:壁側胸膜の被膜内に限局(即ち、同側の胸膜、肺、心膜、横隔膜)。
・II期:胸腔内(N1またはN2)リンパ節転移を伴うすべてのI期。
・III期:以下の領域へ局所進展する中皮腫、例えば、胸壁または縦隔、心臓または横隔膜か腹膜貫通、胸郭外または対側(N3)リンパ節転移は問わない。
・IV期:遠隔転移を認める。


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