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レントゲン写真における空洞形成の鑑別疾患

2009.03.28 (Sat)
肺の実質臓器の内部に、感染などにより壊死巣が発生すると、壊死物質の消失後に残存した空間を形成する。このような空洞形成をきたす疾患には、さまざまな疾患がある。

たとえば結核菌感染により軟化膿腔が形成された後などにみられ、この場合、生じた乾酪化病巣は水解酵素の作用により液状化し、結核性膿を生じる。結果、組織は崩壊し軟化した空洞を生じるようになる。

空洞形成を起こす疾患と、そのレントゲン写真における特徴を以下に示す。
疾患名 画像所見
肺結核 平滑、厚壁、不整な場合もある
アスペルギルス症 内部に菌球(meniscus sign)
肺化膿症 液面形成を認めることもある
肺癌(特に扁平上皮癌) 不整、厚壁
転移性肺腫瘍 多発性
Wegener肉芽腫症 多発性

【補足】
肺結核:上肺野の浸潤影(有空洞であることも多い)が典型的とされるが、特異的所見はない。それ以外の陰影例も多い。

アスペルギルス症:非区域性の浸潤影が最も多い。陰影は上肺野に多い。経過中に移動することもあり、再発に際してもその部位は一定ではない。

肺化膿症:陰影は一般的には単発、時に多発で、円形から類円形を呈し内部にニボーを形成する。初期には必ずしも円形陰影としてはみられず、区域性の境界不鮮明な限局性陰影である。気管支との交通が生じ、内部の膿がドレナージされるとニボーを形成する。

肺癌(特に扁平上皮癌):肺癌の診断の場合、以前に撮影したフィルムがあれば必ず取り寄せ、比較読影を行うことが重要となる。その比較により、増大の速度、悪性と良性の区別などの情報が得られることもある。

また、肺門部肺癌(扁平上皮癌、小細胞癌)の胸部X線は肺門腫瘤、閉塞性肺炎、無気肺が特徴である。肺野部肺癌の胸部X線は腫瘤のノッチング、スピキュラ、血管集束や巻き込み、胸膜陥入陰影内の細気管支透亮像を特徴とする。

転移性肺腫瘍:血行性転移では類円形、境界明瞭な多発性結節影が一般的。結腸直腸癌、骨肉腫、腎癌では少数の塊状影を示すことがあり、甲状腺癌、乳癌、肺癌では無数の小さい粟粒状陰影を示すことが多い。

リンパ行性転移(胃癌、乳癌、膵臓癌などに多い)における胸部X線像では、肺門縦隔リンパ節腫大、肺門から放射状に広がる線状・粒状影、Kerley A、B、Cラインの出現、胸水貯留などがみられる。

Wegener肉芽腫症:胸部X線所見は多彩で、孤立性あるいは多発性結節影、浸潤影、空洞形成が種々の組み合わせで認められる。

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