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MRI検査における信号強度

2009.10.04 (Sun)
MRIとは、NMR現象(核磁気共鳴現象)という物理学的現象を用いて、人体内の水素原子からNMR信号(電磁波)を得て、それを画像化したものである。

NMR現象(核磁気共鳴現象)を扱う時の組織の物理学的特性に、縦緩和時間(T1値:信号の回復力の指標)と、横緩和時間(T2値:信号の持続能力の指標)がある。このT1,T2値、水素原子の量(プロトン密度)、流れ、拡散の4つが組織側でのNMR信号の強さを決める主な要因となっている。

以下に、主立ったT1強調像、T2強調像の信号強度の指標を記す。

1)自由水はもっとも緩和時間が長く、その中にタンパク質などの高分子が混じって水分子の運動を制限したり、磁性体が混ざって電子をやりとりすると短縮する。すなわち、水はT1強調像で低信号、T2強調像で高信号(例:脳脊髄液)である。液体の粘稠度が上がると、T1強調像での信号が上昇する。

2)炎症を含め、多くの病変は水と同じく、T1強調像で低信号、T2強調像で高信号

3)血流の速い部分(血管内)は無信号(例:脳動静脈奇形)である(この無信号域をflow voidという)。

4)骨、石灰化は無信号である。よって、CTの方が描出、発見に有利である。金属もT1、T2強調像いずれにおいても通常、無信号である。治療後の歯など粗大な金属がある場合には、アーチファクトが生じる。

5)出血は時間経過で生化学変化を反映して異なる。出血性脳卒中(脳出血、クモ膜下出血)の急性期ではCTの方が判読しやすい。血腫の中の鉄イオンの変化により、経時的に信号の変化が起こる。

6)脂肪はT1、T2強調像いずれも高信号を呈する。脂肪の他にT1、T2いずれも高信号を呈するものには、血腫、粘液がある。

T1強調像とT2強調像の信号強度まとめ

T1強調像T2強調像
白い脂肪
高蛋白溶液
亜急性期血腫
常磁性体

多くの病変
亜急性期血腫
黒い
多くの病変
空気・骨
速い血流
急性期
慢性期血腫
石灰化
空気・骨

速い血流


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