医学生/研修医向け 基礎医学 内科学 ゴロ合わせ 内科認定医試験
診療データ TNM分類一覧 病期(ステージ)一覧 抗菌薬 診断基準・ガイドライン一覧

当サイトのページランキング

川崎病の診断について

2009.11.01 (Sun)
『診断の手引き改訂第5版』(厚生労働省川崎病研究班作成改訂5版)に従って診断を行う。
本症は、主として4 歳以下の乳幼児に好発する原因不明の疾患で、その症候は以下の主要症状と参考条項とに分けられる。

A 主要症状
 1)5日以上続く発熱(ただし、治療により5 日未満で解熱した場合も含む)
 2)両側眼球結膜の充血
 3)口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
 4)不定形発疹
 5)四肢末端の変化:(急性期)手足の硬性浮腫、掌蹠ないしは指趾先端の紅斑、(回復期)指先からの膜様落屑
 6)急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹
6つの主要症状のうち5つ以上の症状を伴うものを本症とする。

ただし、上記6主要症状のうち、4つの症状しか認められなくても、経過中に断層心エコー法もしくは、
心血管造影法で、冠動脈瘤(いわゆる拡大を含む)が確認され、他の疾患が除外されれば本症とする。

B 参考条項
以下の症候および所見は、本症の臨床上、留意すべきものである。
 1)心血管:聴診所見(心雑音、奔馬調律、微弱心音)、心電図の変化(PR・QT の延長、異常Q 波、低
電位差、ST-T の変化、不整脈)、胸部X 線所見(心陰影拡大)、断層心エコー図所見(心膜液貯留、
冠動脈瘤)、狭心症状、末梢動脈瘤(腋窩など)
 2)消化器:下痢、嘔吐、腹痛、胆嚢腫大、麻痺性イレウス、軽度の黄疸、血清トランスアミナーゼ値上昇
 3)血液:核左方移動を伴う白血球増多、血小板増多、赤沈値の促進、CRP 陽性、低アルブミン血症、α2グロブリンの増加、軽度の貧血
 4)尿:蛋白尿、沈査の白血球増多
 5)皮膚:BCG 接種部位の発赤・痂皮形成、小膿疱、爪の横溝
 6)呼吸器:咳嗽、鼻汁、肺野の異常陰影
 7)関節:疼痛、腫脹
 8)神経:髄液の単核球増多、けいれん、意識障害、顔面神経麻痺、四肢麻痺

<備考>
1)主要症状A の5は、回復期所見が重要視される。
2)急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹は他の主要症状に比べて発現頻度が低い(約65%)
3)本症の性比は、1.3~1.5:1で男児に多く、年齢分布は4歳以下が80~85%を占め、致命率は0.1%前後である。
4)再発例は2~3%に、同胞例は1~2%にみられる。
5)主要症状を満たさなくても、他の疾患が否定され、本症が疑われる容疑例が約10%存在する。こ
の中には冠動脈瘤(いわゆる拡大を含む)が確認される例がある。

(川崎病(MLCS、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群) 診断の手引き(122KB))
ちなみに、4版よりの主要改訂点は、治療により発熱期間が5日未満となった場合も、いわゆる治療解熱として発熱項目を満たすものとなったことである。

また、全国調査では、診断を確実A、確実B、容疑例に分類している。
主要症状6つのうち5つ以上を満たす「確実A」か、4つと冠動脈瘤が確認されれば「確実B」が確定診断された例である。それより症状が少ないが他疾患は否定的で川崎病が最も疑われる場合は「容疑例」とされる。いわゆる「不全型」に関する明確な定義はまだなく、確実Bと容疑例のいずれかまたは両方を意味していることが多い。

さらに、治療に関連して、免疫グロブリンの超大量療法(IVIG)の適応は、「原田のスコア」が判断基準となる。
原田のスコア

1)白血球数12,000/μl以上
2)ヘマトクリット35%未満
3)血小板数350,000/μl未満
4)CRP約4.5mg/dl以上
5)血清アルブミン3.5mg/dl未満
6)男児
7)13か月未満


の最悪値4点以上を原則とする。ただ、総合判断でそれ以下でも行われる。治療開始時期はできれば7病日前で、確定診断がつく前からも行われる。また、いわゆる不全型でも冠動脈瘤が発現するので同じ治療が必要になる。

【関連記事】
小児の発疹性疾患

ヘルパンギーナとは


トップページへ  |  この記事へのリンク  |  小児科
Adminブログパーツ