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抗菌薬-セフェム系

2009.12.12 (Sat)
【概論】
セフェム系構成物質は、β-ラクタム環を有する7-アミノセファロスポリン酸を基本骨格とする抗生物質の総称である。3位および7位側鎖の構造の違いにより、その抗菌活性や体内動態が異なる。

セファロスポリン母核の側鎖を変換させることによって、多くのセフェム系抗菌薬が開発された。第一世代、第二世代、第三世代、第四世代の世代分類が慣用されている。

また、セフェム系抗生物質は構造上、カビから抽出されその原型となったセファロスポリンC系と、7位にメトキシ基を有するセファマイシン系に大別され、さらにセファマイシン系のうち5位の硫黄原子が酸素原子に置換されたものはオキサセフェム系と呼ばれる。

【作用機序】
抗菌機序はペニシリン類と同様に細胞壁合成阻害であり、殺菌的に作用する。一般にβ-ラクタマーゼのうちペニシリナーゼには安定であり、セファロスポリナーゼにより不活化されやすいが、セファマイシン系および一部のセファロスポリンC系の化合物はセファロスポリナーゼにも安定である。

【世代での違い】
第一世代
1960年代に最初に登場した抗菌薬で,βラクタマーゼ(セファロスポリナーゼ)によって容易に分解され失活する。グラム陽性球菌、クレブシエラ、大腸菌、Proteus mirabilisなどのグラム陰件悍菌に抗菌力を示すが、エンテロバクター、セラチア、インドール陽性プロテウス、緑膿菌、バクテロイデス、フラギリスには示さない。

第二世代
1970年代に臨床応用されたグループで、第一世代よりさらにβラクタマーゼに安定である。第一世代の抗菌域に加えてエンテロパクター、セラチア、インドール陽性プロテウス、バクテロイデス、フラギリスにも抗菌力を示すが、緑膿菌には弱い。セフスロジンは、緑膿菌にのみ優れた抗曲力を示す。

第三世代
1970年代末から1980年代に臨床に登場した。βラクタマーゼに強い安定性を示す.第一、第二で代セフェムよりさらに抗菌力は強くなり、緑膿菌にも強い活性を示すものがある。しかし、ブドウ球菌には、第一・第二世代に比べて劣っている。

第四世代
第三世代セフェムの特徴に加えてグラム陽性球菌にもかなりの抗菌力を示すものがあり、第四世代セフェムと呼ぶことがある.


文光堂「臨床研修プラクティス」より


【薬剤の特性】

一般名製品名特性常用量
第一世代セファゾリン
(CEZ)
セファゾリンαグラム陽性球菌、特に黄色ブドウ球菌(MSSA)に対して抗菌力が優れている。適応症としては、創部軟部組織感染、外科手術前後の感染予防、黄色ブドウ球菌(MSSA)感染症1.0~2.0g 8~12時間毎。保険適応量は最大5.0 g /dayまで
第二世代セフォチアム
(CTM)
パンスポリン黄色ブドウ球菌や連鎖球菌、Hemophilus influenzae(インフルエンザ菌)、Escherichia coli(大腸菌)、Klebsiellaといった広い範囲の菌に抗菌力を持つ非常にバランスのとれた抗菌薬。適応症としては、市中肺炎、副鼻腔炎、腎盂腎炎などがある。ただし、嫌気性菌には抗菌力をもたない。1.0~2.0g 8~12時間毎。保険適応量は最大4.0 g /dayまで
セフメタゾール
(CMZ)
セフメタゾンセフォチアムと類似の抗菌スペクトラムに加えた嫌気性菌のBacterodesに対しても抗菌力を併せ持っている。適応症としては、誤嚥性肺炎、腹腔内感染、グラム陽性菌および陰性菌、嫌気性菌の混合感染、結腸・直腸手術時の感染予防1.0~2.0g 8~12時間毎。保険適応量は最大4.0 g /dayまで
セフロキシム
(CXM)
オラセフセフォチアムと同様の抗菌スペクトラムをもつ。グラム陽性球菌に対しては、第一世代よりも抗菌力は劣る。750 mg(×3) 最大1,500 mgまで(経口)
第三世代セフタジジム
(CAZ)
モダシングラム陽性菌については、他の第三世代と比べて劣る。本剤の特徴は、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)を含めたグラム陰性桿菌に対して最も優れていることである(80~90%)。嫌気性菌、Bacteriudesに対する抗菌力は弱い。適応症としては、院内肺炎、院内の尿路感染、顆粒急現象患者の発熱時。カルバペネム系耐性の緑膿菌は、しばしばセフタジジムに感受性をもつ。1.0~2.0g 8~12時間毎。保険適応量は最大4.0 g /dayまで
セフォタキシム
(CTX)
クラフォラン
セフォタックス
第三世代セフェム系の代表的薬剤。グラム陽性菌の中では、連鎖球菌、肺炎球菌(PRSP含む)に優れた抗菌力をもつ。黄色ブドウ球菌(MSSA)に対しては、第一、第二世代セフェムよりも劣る。グラム陰性菌には、Haemophilus influenzae(インフルエンザ菌)および腸内細菌科の菌に対して優れた抗菌力あり。また、嫌気性菌についても、抗菌力を持つが、Bacteroidesには60~80%に抗菌力をもつ。重症グラム陰性桿菌感染症、腸チフス、サルモネラ菌血症、髄膜炎、重症市中肺炎、重症尿路感染など。ブドウ糖非発酵菌であるPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)やAcinetobactorなどには無効である。1.0~2.0g 6~12時間毎。合計2.0~8.0 g/day、髄膜炎では8~12 g/day(保険適応は4 g/dayまで)
セフトリアキソン
(CTRX)
ロセフィン抗菌スペクトラムは、セフォタキシムとほぼ同様である。本薬剤の特徴は、その長い血中濃度半減期にある(約7時間)。1日1回のみの投与が可能。1.0~2.0g 6~12時間毎。合計1.0~4.0 g/day、4g/dayでは、髄膜炎、重症敗血症、重症市中肺炎などの投与量
セフォペラゾン/スルバクタム
(CPZ/SBT)
スルペラゾンセフォペラゾンとβラクタマーゼ阻害薬であるスルバクタムの合剤である。セフォペラゾンは緑膿菌抗菌作用があり、胆道排泄であることが特徴である。胆道感染症などに適している。また、PT時間の延長をきたし、断酒剤としても用いられる。ジスルフィラム様作用を副作用としてもつ。髄液移行性は、他の第三世代セフェムと比べて不良。適応症としては、胆道系感染や腹腔内感染など。0.5~1.0g 12時間毎。合計1.0~2.0 g/day、重症例では、4g/dayまで
第四世代セフェピム
(CFPM)
マキシピーム適応症としては、重症院内性肺炎、敗血症、好中球減少者の発熱など。1.0~2.0g 静注。8~12時間毎。合計2.0~4.0 g/day、保険適応は4g/dayまで
セフピロム
(CPR)
ケイテン適応はセフェピムと同様。1.0~2.0g 静注。8~12時間毎。合計2.0~4.0 g/day、保険適応は4g/dayまで



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