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好酸球性肺疾患の診断

2012.04.07 (Sat)
好酸球性肺疾患とは、肺や末梢血中または両者に好酸球が増加するために引き起こされる呼吸機能障害の総称であり、多様な疾患の集合体である。

好酸球性肺疾患の分類:
原因不明・単純性好酸球増多症(Loeffler症候群)
・急性好酸球性肺炎
・慢性好酸球性肺炎
・アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)
・好酸球増多症候群
原因が判明しているもの・寄生虫感染症
・薬剤誘発性
・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症


急性好酸球性肺炎
1) 1週間以内の急性発症
2) PaO2 60 Torr 未満の低酸素血症
3) びまん性浸潤影
4) 気管支肺洗浄(BAL)液中の25%以上の好酸球増多
5) 喘息やアトピー歴の欠如
6) ステロイドにより早期に改善し再発を認めない

我が国では、喫煙に関連して発症する若年者の発症が多い。
喫煙以外の誘引として、花火や線香の煙、アセチレンガスや粉塵の吸入が報告され、真菌(Trichosporon cutaneum、Trichoderma viride、Trichosporon terrestre)や薬剤(ミノサイクリン、NSAIDs)関連が疑われる例もある。

・胸部Xp所見:全肺野にびまん性にスリガラス影や線状網状影がみられ、Kerley A、B lineや少量の胸水もみられる。
・胸部HRCT:びまん性のスリガラス影や斑状影に、小葉間隔壁の肥厚、胸水、縦隔リンパ節の腫脹を伴う。

慢性好酸球性肺炎
1) 数週間の経過で進行する咳、呼吸困難、発熱
2) 中年女性、非喫煙者に多い
3) 喘息やアトピー疾患を約半数に合併
4) ときに移動する非区域性の肺野末梢の浸潤影
5) 末梢血好酸球の増多(30%以上)
6) BAL液中の好酸球増多(40%以上)
7) 寄生虫、真菌感染症や薬剤性の原因を除外
8) ステロイド薬が有効だが再発例が多い

・画像所見:肺野末梢側に分布する非区域性の浸潤影、典型例では「photographic negative of pulmonary edema」と呼ばれる。結節性陰影、空洞聖陰影などもみられる。

Churg-Strauss症候群
・気管支喘息などのアレルギー性疾患を背景として、好酸球増多症と全身性血管炎を伴う疾患である。
・末梢血好酸球増多(2,000 μL以上)
・IgE 高値
・リウマチ因子陽性がみられることが多い。
・40~80%の症例でMPO-ANCAが陽性
・合併症としては、神経症状(多発性単神経炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞など)、皮膚症状、心臓障害(心筋炎、心外膜炎、心不全、心筋梗塞など)、腎障害、消化管障害(好酸球性胃腸炎、腸管穿孔など)などがある。
・ステロイド不応例では、シクロフォスファミドなどの免疫抑制剤を併用する。そのほか、血漿交換やγグロブリン大量療法などが行われる。


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