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前頭側頭型認知症Frontotemporal dementia(FTD)の臨床診断特徴

2013.06.26 (Wed)
Neary D, et al : Frontotemporal lobar degeneration ; A consensus on clinical diagnostic criteria. Neurology 51 :1546―1554, 1998.より

性格変化と社会的接触性の障害が病初期から全疾患経過を通して優勢な特徴である.認知,空間的技能,行為,記憶などの道具的機能は正常か比較的良好に保たれる.

I.中核的診断特徴(すべて必要)
A.潜行性に発症し緩徐に進行する
B.社会的対人行動の早期からの障害(行儀・社交マナー・礼儀正しさの障害と,反社会的・脱抑制的な,言語的・身体的・性的な行動異常)
C.自己行動の調整の早期からの障害(受動性・無気力・不活発から過活動・行ったり来たりを繰り返す・徘徊などの習慣行動の量的な異常,話す・笑う・歌う・性的行動・攻撃性などの増加)
D.早期からの情意鈍麻(無頓着,感情的な温かみ・共感・同情の欠如,他者への無関心,を伴なう不
適切な感情の浅薄化)
E.早期からの病識の欠如

II.支持的診断特徴
A.行動障害
1.自己の衛生や整容の障害
2.思考の硬直化と柔軟性の消失
3.注意の転導性の亢進と維持困難
4.過食,口唇傾向と食行動変化
5.保続的行動と常同的行動
6.使用行動

B.発話および言語
1.発話量の変化
a.自発話の減少と発話の簡素化
b.発話促迫
2.常同的発話
3.反響言語
4.保続
5.無言症

C.身体所見
1.原始反射
2.失禁
3.無動,筋強剛,振戦
4.低く不安定な血圧

D.検査所見
1.神経心理学的検査:重度の健忘・失語・空間的認知障害を伴わない明らかな前頭葉機能検査の異常
2.脳波検査:臨床的に明らかな認知症症状が
あるにもかかわらず通常の脳波検査では正常
3.脳画像検査(形態および/または機能画像):前頭葉および/または前部側頭葉の著明な異常

III.支持的特徴
A.65 歳未満の発症:第一度親族に同様の疾患の家族歴
B.球麻痺,筋力低下および筋萎縮,筋線維束攣縮(少数の患者では運動ニューロン疾患を伴なう)

IV.除外診断特徴
A.病歴および臨床特徴
1.発作性のイベントを伴う突然の発症
2.発症に関連した頭部外傷
3.早期からの重度の健忘
4.空間的失見当
5.思考の脈絡を欠く語間代,発話促進
6.ミオクローヌス
7.皮質脊髄路性麻痺
8.小脳失調
9.舞踏アテトーシス

B.検査所見
1.脳画像検査で後方優位の形態的もしくは機能的障害;CTもしくはMRIで示される多巣性の病変
2.代謝性脳症,もしくは多発性硬化症・梅毒・AIDS・単純ヘルペス脳炎等の炎症性疾患を示す検査所見

V.相対的除外診断特徴
A.典型的な慢性アルコール依存の既往
B.持続性の高血圧
C.血管の病気の既往(狭心症,跛行など)


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