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Ca拮抗薬内服中にCAM(クラリスロマイシン)処方は控えるべき-腎障害のリスク

2013.12.26 (Thu)
米国医師会雑誌 JAMAに掲載された、「Calcium-Channel Blocker–Clarithromycin Drug Interactions and Acute Kidney Injury」によると、「Ca拮抗薬を使用中の高齢者にチトクロームP(CYP)3A4を阻害するクラリスロマイシン(CAM)を投与すると、併用開始から30日以内の急性腎障害による入院リスクが上昇する」とのことです。カナダ Western Ontario大のSonja Gandhi氏らが報告しています。

CYP3A4を阻害する薬剤とCa拮抗薬を併用すると、薬物相互作用により低血圧などの有害事象のリスクが高まる可能性は以前から指摘されています。ちなみに、グレープフルーツの中にはフラノクマリン類と呼ばれる化合物が含まれており、これが小腸上皮のCYP3A4の機能を阻害するといわれています。CYP3A4の基質として、他にも免疫抑制剤であるシクロスポリン、ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるトリアゾラムなどが挙げられます。

ちなみに、Ca拮抗薬はCYP3A4により代謝されるため、この酵素の活性が阻害されればCa拮抗薬の血中濃度は最大で500%まで上昇してしまうそうで、この過剰な降圧→急性の腎虚血→急性腎障害発症…という可能性があるそうです。

著者らは、クラリスロマイシンと同じマクロライド系抗菌薬だが、CYP3A4を阻害しないアジスロマイシンを対照として、Ca拮抗薬使用中の高齢者を対象に、これらの抗菌薬を併用した場合の急性有害事象のリスクを比較するコホート研究実施しています。

結果は…
クラリスロマイシン群では、低血圧による入院リスク上昇も見られたそうです。併用開始から30日以内に低血圧による入院を経験したのは、クラリスロマイシン群111人(0.12%)、アジスロマイシン群68人(0.07%)オッズ比は1.60(1.18-2.16)、害必要数は2321(1406-6416)、調整オッズ比は1.63(1.21-2.22)だったそうです。

全死因死亡はクラリスロマイシン群984人(1.02%)、アジスロマイシン群555人(0.59%)。クラリスロマイシン群で絶対リスクが0.43%(0.35-0.51)上昇しており、オッズ比は1.74(1.57-1.93)、害必要数は231(195-284)、調整オッズ比は1.74(1.57-1.94)だったそうです。

Ca拮抗薬の患者さんには、CAM内服は避けた方が良さそうですね。あとは「グレープフルーツ食べるの避けましょう」というアドバイスや、「シクロスポリンやトリアゾラムを内服していないか?」というチェックもしましょうね。


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